スリッページとは – クリックした時と約定した時の価格がズレる?!

スリッページとは - クリックした時と約定した時の価格がズレる?!

目次

スリッページとは?

FXで成行注文を行った際に「クリックした時の価格と約定した時の価格がズレていた」なんて経験はありませんか?それがスリッページです。短期的な値動きや、価格の急変動を狙った取引を行う人にとっては避けては通れないキーワードです。スリッページを知ることで、不要な取引を避けることができたり、取引コストを押さえることもできます。

この記事では、スリッページとは何なのか、どういった時に発生するのかといった基本的知識から対応策。また、FX初心者にもおすすめな、スリッページが少なく約定力に定評のあるFX会社の紹介を行います。

注文から約定するまでの価格のズレのこと

スリッページとは注文時と約定時に発生するズレのこと

スリッページ(slippage)とは、すべる(slip)の名詞形で、FXにおいては「注文から約定までの価格のズレ」のことを指します。

例えば、買いの新規成行注文をしようとします。100.00円のときに注文ボタンを押し、実際に100.01円で約定したら、1銭のスリッページが発生したことになります。

スリッページはなぜ起きる?

売り買いの注文が足りないとスリッページは起きる

スリッページはなぜ起きる?

FXの売買は、必ず相手がいないと成立しません。自分が買いたい場合なら、売ってくれる人、自分が売りたい場合なら買ってくれる人がいて、初めてトレードが成立します。

買いの注文、売りの注文のどちらもマーケットに十分ある場合には、希望価格で注文が約定されます。

逆に、売買しようとしたときにどちらか、あるいはどちらの注文もなくなった場合には、希望価格で約定することが難しく、不利な方向に価格をスベらせてでも約定させようとした結果、スリッページが発生します。

また、注文数が足りないと、同じ理由でスプレッドが拡大することもあります。

荒れ相場、動かない相場で発生しやすい

それでは、どういう相場で注文が売り切れになりやすいのでしょうか?

スリッページは、要人発言や経済指標発表により数分で1円以上相場が動いたり、相場参加者が少ない明け方や祝日に発生しやすくなります。

相場の急変時

まず1つ目は、米国雇用統計のような経済指標の発表や要人による爆弾発言、あるいは○○ショックと後から呼ばれるような暴落、暴騰時には、値動きが一方的になり、一時的に市場にある注文が買いだけ、あるいは売りだけのような状態になります。こういった相場の急変動時には、スリッページが発生しやすくなります。

市場参加者が少ない時間帯

もう1つは、相場にほとんど誰も参加しておらず、現在の価格付近に買いも売りも注文が少ない状況です。NYクローズ前の日本時間早朝(午前5時~8時)などがこれに該当します。マーケットが薄いなどと表現されるこういった時間帯は、スリッページが発生しやすくなります。

>> FXの取引時間についてはこちら

スリッページはゼロにはならない

このようにスリッページとは、売買の相手がその瞬間にマーケットからいなくなることによって起きるものです。よって、どんな相場でもスリッページが発生する可能性があります。

スリッページへの対策

許容スリッページを設定する

許容スリッページが5pipsの場合

トレードを行う前に「この幅までのスリッページが起きても構いませんから、注文成立を優先してください」という設定ができます。これが許容スリッページで、広くするほど注文が通りやすく、狭くするほど注文が通りにくくなります。

可能な限りスリッページをゼロで約定させたい場合、許容スリッページ値を設定することができます。そうすることで設定値幅以上のスリッページが発生する場合には、約定を見送ることができます。

許容スリッページは、想定以上の取引コストが発生するトレードを回避できますが、その分だけ約定しないケースも増えて、機会損失につながる可能性もあります。

成行・指値・逆指値における許容スリッページ

スリッページと一言でいっても、状況により意味合いはかなり異なってきます。FXにおける3種類の基本的な注文によって、どのような違いがあるかを覚えておきましょう。

成行注文は許容スリッページで調整

成行注文とは、「なるべく早く注文を約定させる」ことを目的にした注文で、目の前の価格からできるだけ近い価格で注文を通すことを目指します。

このときに許容スリッページの設定をしていれば、許容できないスリッページだった場合の注文を見送れます。

ただ、許容スリッページが狭いほど、約定しづらくなります。よって、極端に相場が動いている局面で、許容スリッページを狭くした上で、新規注文のボタンを連打して、注文できればOKというような使い方も考えられます。

指値注文のスリッページはむしろ歓迎

実は多くのFX会社で、許容スリッページは成行注文にしか設定できません。その理由も含めて、指値注文での許容スリッページについて考えていきます。

まず、指値注文とは、「投資家にとって有利な価格で売買すること」となります。新規エントリー時なら、今より下がったら買う、上がったら売るという価格指定の予約注文となり、押し目買いや戻り売り、あるいは底や天井での反転を狙うエントリーとなります。

決済時なら利益確定です。

図を見ていただきたいのですが、指値注文におけるスリッページは、実はいくら発生しても問題ありません。むしろ、スベるほど投資家が得をします。よって、指値注文における許容スリッページには意味がないことになります。

指値注文(利益確定)の場合のスリッページ

一般的に指値注文は、指定した価格で約定します。しかしFX会社によっては、このようなトレーダーにとって有利なスリッページが発生することもあります。

逆指値注文では決済を優先にせざるを得ない

逆指値注文も価格を指定する予約注文ですが、こちらは「投資家にとって不利な価格で売買すること」となります。新規エントリー時なら、今より上がったら買う、下がったら売るという注文で、ブレイクアウト狙いとなります。

決済時なら損切りです。

たしかに逆指値注文のときにスリッページが発生すれば、トレーダーにとっては不利です。しかし損切り時には、少々スリッページが発生しても、そのときに約定させないと損失が膨らみ大変なことになる可能性があります。そのため、逆指値注文では許容スリッページを受け入れる方が良いとも言えます。

逆指値注文(損切り)の注文

許容スリッページはどれくらいにすれば良い?

スリッページとは、つまり取引コストが増加することです。100.00円で買いたいのに、100.01円で約定したということは、取引コストが0.01円増加しています。1万通貨では、100円に相当します。

FXにおける取引コストの影響は、獲得値幅が狭いほど大きくなります。なぜなら、最終的に狙う値幅の合計が同じなら、獲得値幅が狭いほどたくさんのトレード回数が必要になり、それだけ取引コストを払う回数が多くなるからです。

具体例を見てみましょう。1万通貨取引で1万円の利益を求めるなら、狙う値幅は100pipsです。このとき、トレード1回で100pipsなら、払う取引コストは1回分です。つまり少々スリッページをしても、全体の収支への影響は軽微です。

逆にトレード10回で10pipsずつ利食いする場合には、取引コストを10回分払います。前者と比べて、スリッページの影響は10倍大きいといえます。

このように、狙う値幅が狭いほど許容スリッページも狭く、広いほど許容スリッページは広いか、設定しないという考え方が良いでしょう。

ちなみにこれはスプレッドについても同じです。スキャルピングトレードほどスプレッドが狭くなければ成功しづらく、長期トレードならスプレッドは狭いにこしたことはないものの、少しくらい広くても全体への影響は僅かとなります。

主要FX会社の許容スリッページ初期値

初期の許容スリッページを数社調べてみました。

FX会社名 スリッページ初期値
fxプライム▼詳しく見る なし
gmoクリック証券▼詳しく見る なし
lightfx▼詳しく見る なし
セントラル短資FX▼詳しく見る なし(初期設定が必要)
みんなのFX▼詳しく見る 1pip
dmmfx▼詳しく見る 2pips
外貨ex▼詳しく見る 3pips
LIONFX▼詳しく見る 5pips
moneypartener▼詳しく見る 1pip
fxbroadnet▼詳しく見る 100pips

0~100pipsというように、会社ごとに大きく違いがありましたので、トレードを始める前に一度確認しておきましょう。

約定力が高い口座を選択する

スリッページが少ない約定力に定評がある口座を選択するのも有効です。その代表格であるFXプライムbyGMO、マネーパートナーズPFXについてはのちほど解説します。

約定力と約定率、約定拒否

約定力という言葉があります。「(スリッページなどせず)どれくらい約定するか」という意味合いで使われることが多いのですが、具体的な定義はありません。

また、約定の強さを表す指標として、約定率があります。どれくらいの割合で約定するかを表しますが、これにはスリッページが含まれないことが多いのです。スリッページが起きたことも含め、拒否されずに注文が成立した割合が本来の約定率です。

なお、約定できずに注文がやり直しになることを、約定拒否と言います。

例:100回の注文に対して、スリッページ3回、注文が通らない場合が1回合った場合の約定率は96%

スプレッドについての考え方

FX業界では、FX会社間のスプレッド競争がずっと行われており、ドル円やユーロドルのような人気通貨ペアのスプレッドは0.2銭などと、ここからもうほとんど狭くできない水準まで狭くなっています。

もちろんスプレッドが狭いことはトレーダーにとってはメリットです。ただ、表示されているスプレッド通りに約定するかどうかは別の問題です。

表示スプレッドが0.1pipsでも、平均で0.5pipsのスリッページが発生していたら、0.6pipsが真のスプレッドとなります。

この平均スリッページという考え方が厄介で、実際にトレードをしてみないと分からないのです。また大きなスリッページは、普段と違う急変動時に多く発生するため、長期間のデータを取らないと把握することはできません。さらに、ロット数が大きいとスリッページが発生しやすくなりますし、同じFX会社でも時間帯によって変動します。

よって個人でスリッページを把握することは大変なので、このあと紹介する約定力に定評のあるFX会社でトレードをすることが、手堅い選択かもしれません。

>> スプレッドの狭さで選ぶなら、ドル円のスプレッド0.0銭のマネーパートナーズがおすすめ

鹿内 武蔵

国内唯一の月刊FX情報誌『FX攻略.com』の元副編集長として、雑誌記事の取材・執筆・編集業務を経て、投資、FXライターとして2019年に独立。多くのプロトレーダーを取材してきた経験を生かし、個人投資家が相場の世界で生き残るための情報発信をしつつ、自らもトレーダーとしてFXを中心に様々な運用を行う。株式会社tcl代表取締役。

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