スワップポイントとは? -高金利通貨を買って利益を狙おう!

ひとこと要約
- スワップポイントとは、毎日付与される通貨ペアの金利差調整分を指す
- 長期保有をすれば継続的にスワップによる利益を獲得可能!
- 同じ通貨ペアでもスワップポイントはFX会社によって異なる
FXの代表的な利益として、キャピタルゲインと呼ばれる「売却益」とインカムゲインの「スワップポイント」の二つがあります。売却益は安い時に買い、高い時に売ることで得られる差益のことで、多くの人がこちらをイメージするのではないでしょうか。
しかし、「スワップポイント」はFX初心者の方にとっては、あまり馴染みない言葉かと思います。そもそもスワップポイントが何を表していて、どんなメリットがあるのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、FX取引におけるスワップポイントとは何なのか、またどんなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきたいと思います。また最後に高スワップを狙うためのオススメ通貨ペアとオススメFX会社の紹介もしているので、是非ご参照ください!
目次
スワップポイントとは?
そもそもスワップポイントとは何なのでしょうか。FX取引においてスワップポイントは「金利の高い通貨と金利の低い通貨との金利差から生じる損益」を意味します。
基本的に1日あたりに得られるスワップポイントは以下のように決められます。
買い建ての場合:「買い建てる通貨の金利−売り建てる通貨の金利」
例)トルコリラ/円を買い建てる場合「トルコリラ」が買い建て通貨、「円」が売り建て通貨になります。トルコリラの金利を17%、円を0.1%だとするとスワップポイントは
17%−0.1%=16.9%となります。
売り建ての場合:「売り建てる通貨の金利−買い建てる通貨の金利」
例)トルコリラ/円を売り建てる場合「トルコリラ」が売り建て通貨、「円」が買い建て通貨になります。よってスワップポイントは
0.1%−17%=−16.9%となります。
そのため金利の高い通貨を買い建てる場合には金利差に応じてスワップポイントを受け取ることができ、逆に金利の高い通貨の売り建てる場合には、金利差に応じてスワップポイントを支払う必要が出てきます。
つまり、通貨の売り買いとスワップポイントの関係は以下の表のようになります。
通貨ペア例 | 注文 | スワップポイント |
---|---|---|
高金利通貨/低金利通貨 |
買い建て |
プラス (受け取り) |
売り建て |
マイナス (支払い) |
|
低金利通貨/高金利通貨 例:ユーロ/米ドル |
買い建て |
マイナス (支払い) |
売り建て |
プラス (受け取り) |
スワップポイントは高金利通貨を買い建てる場合が注目されがちですが、取引によっては支払いの必要もあるので注意しましょう。
また補足として、買い建ての際に得られるスワップポイントのことを「買いスワップ」、売り建ての際に得られるスワップを「売りスワップ」といいます。この2つの用語も合わせて覚えておきましょう。
スワップポイントはいつ付与されるの?
それでは、スワップポイントはどのタイミングで付与されるのでしょうか。スワップは、日をまたいでポジションを保有すると発生します。FX会社では、日付の変更処理を行う取引休憩時間中にロールオーバーという処理を行っており、この処理時にスワップが付与されます。

このロールオーバーの時間は「ニューヨーク市場の閉まる時間帯前後」に設定されているので、FX会社ごとに違いはありますがほとんどの会社では「ニューヨーク市場の閉まるNY時間午後6時(日本時間午前8時)」に設定されています。大手FX会社の外為どっとコムでは5:55~6:10がロールオーバーの時間になっています。
※上記は夏時間の場合です。冬時間の場合はNYクローズが1時間遅くなります。土日、祝日のスワップポイントはどうなるのか
しかし、土日はFX取引が出来ません。その間のスワップポイントはどうなるのでしょうか。実は、土日祝日に付与される分のスワップポイントは各FX会社の定めた曜日にまとめて付与されるようになっています。
以下に土日分のスワップポイントが何曜日に付与されるのかFX会社ごとにまとめた表を用意したのでご参照ください。
表からも分かるように、大手FX会社ではスワップポイントは、木曜日の朝方に付与されます。
FX会社 | スワップのまとめ付与の曜日 |
---|---|
外貨ex byGMO | 木曜日 朝 |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 | |
DMM FX | 木曜日 朝 |
FXプライムbyGMO | 木曜日 朝 |
セントラル短資FX | 木曜日 朝 |
SBIFXトレード | 木曜日 朝 |
外為オンライン | 木曜日 朝 |
FXブロードネット | 木曜日 朝 |
木曜日 朝 | |
木曜日 朝 |
スワップポイントのメリットは?
1.スワップポイントで継続的な利益を狙える
スワップポイントのメリットとしては「継続的に利益を受け取ることができる」ことが挙げられます。スワップポイントはポジションを保持している限り、土日祝を除いて毎日受け取ることができます。
土日祝分は基本的に平日にまとめて付与され、1週間保有すれば7日分のスワップポイントを受け取ることができるので、「土日祝はスワップポイントがつかないわけではない」ということも覚えておきましょう。
忙しくて一日中パソコンに向き合う時間が取れない方にもおすすめです。ただあまりにもほったらかしておくと、価格変動でスワップポイントより通貨ペアの評価損の方が大きくなってしまう可能性もあるので注意しましょう。
1日あたりもらえるスワップポイントは少額ですが、年間で計算するといくらになるか考えてみましょう。
例えば、トルコリラ/円の取引をする場合で、1日あたり貰えるスワップポイントが「50円/1万通貨」だったとしましょう。そして1年間、1万通貨分のポジションを保持し続けたとしたら、「50円×365日=18,250円」となります。10万通貨なら182,500円にもなります。
ちなみにトルコリラ/円を1万通貨買い建てる際に必要な資金は、レバレッジ無しで約13万円、25倍かけた場合は約5200円必要になります。
※2021年5月時点
2.レバレッジで必要資金を減らしながら、スワップポイントを狙える
さらに、FXには「レバレッジ」と呼ばれる自分の資金以上の取引を可能にするシステムがあります。このレバレッジを使えば、自分の資金額の最大25倍まで取引が可能になります。つまり、少ない投資資金でポジションを持つことが可能になります。また、取引する通貨量に応じてスワップポイントは増えていくので、レバレッジを大きくかければその分スワップポイントも多くもらえます。つまり、10000通貨あたり100円程度の利益でもレバレッジを活用すれば大きな利益になる可能性があるということです。

しかし、レバレッジには大きな資金を動かすことができる分、リスクも伴います。ですから、最初はレバレッジをかけすぎず、自分の資金量を考慮しながらレバレッジを決めるようにしましょう。
目先の利益に目が眩んで「最初から25倍レバレッジをかけよう!」ということはやめておきましょう。
スワップポイントのデメリットは?
継続的な利益が魅力のスワップポイントですが、もちろんデメリットもあります。ここではスワップポイントのデメリットをしっかりと押さえ、リスクを最小限にするためにはどうすれば良いか考えるようにしましょう。
まず、スワップポイントのデメリットとしては、「為替変動リスク」「金利変動リスク」「マイナススワップ」の3つが挙げられます。まず為替変動リスクから見ていきましょう。
1.為替変動リスク
FX取引では基本的に24時間、為替レートが変動しています。そのため通貨を長期保有している間に、スワップポイントによる利益よりも為替レートの変動による含み損の方が大きくなってしまう可能性があります。
また、高金利通貨は「新興国」の通貨であることが多く、為替の変動が激しいという特徴があります。そのため、高金利通貨を長期保有する際にはこうしたリスクがあることを把握しておくようにしましょう。
また為替レートが変動するとそれに伴い、受け取るスワップポイントも変動してしまいます。
2.金利変動リスク
次は金利変動リスクです。対象通貨を発行している国の政策金利が変化すると、金利差が小さくなったり、逆転してしまう可能性があります。
特に、金融危機などによって為替レートが大きく変動し、政策金利も引き下げられた場合は金利差が逆転する可能性も十分あります。そうなってしまうと、「スワップポイントの支払い」が必要になってしまいます。この金利の変動によるリスクもデメリットの一つといえます。
3.マイナススワップ
高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、逆にスワップポイントを支払う必要があります。スワップ狙いで通貨を長期保有していた場合、金利差が逆転してしまうとこちらがスワップポイントを支払わなければいけなくなり、長い目で見ると大きな損失になる可能性があります。

いつの間にか金利差が逆転してスワップポイントを支払うことになっていた…ということにならないよう、定期的にFX会社のサイト等でスワップポイントがいくらなのか確認する習慣をつけておくことをおすすめします。
スワップ狙いの取引のコツ
スワップ狙いの取引のメリット・デメリットを把握したところで、本章では「スワップ狙いの取引のコツ」を簡単に紹介していきたいと思います。紹介する内容はスワップトレードに関する初歩的な知識ですが、こうした基本知識を抑えることで「大失敗」は避けられるようになります。自分の資金を守るためにも、一度目を通しておきましょう!

自分に合ったレバレッジでスワップを狙う
損失の発生に伴い、口座の残高が最低限求められている必要証拠金の金額を割り込むと、ロスカット(強制決済)が実行されてポジションが解消され、受け取ったスワップポイントを超える損失が発生する場合があります。
レバレッジが大きければ為替の変動が小さくてもロスカットが発生する可能性が高くなります。小さなレバレッジで運用することで、ロスカットによる損失のリスクを減らすことができますが、投資金額も大きくなるので、自分に合ったレバレッジで運用することが大切です。
投資する通貨ペアを分散させる
スワップポイントによる収益よりも為替差損が大きくなってしまうと本末転倒です。リスクを軽減させるためにも、投資する通貨ペアを分散させるのが賢明といえます。
いずれかの通貨ペアでの利益が少なくなっても他の通貨ペアの利益でカバーすることができます。高金利通貨は変動が激しいので、米ドルや豪ドルなどの比較的安定した先進国通貨と分散投資してもいいかもしれません。
高スワップが狙えるオススメ通貨ペア!
スワップポイントとはなんなのか、そしてそのメリット、デメリットまで押さえたところで、ここからはスワップポイントを狙うのにオススメの通貨ペアを紹介していきます。
高金利の新興国通貨で高スワップを狙う!
まずは、通貨の中でも有数の高金利に設定されている新興国通貨を紹介します。スワップにおいて注目されている主な新興国通貨は「トルコリラ」「メキシコペソ」「南アフリカランド」が挙げられます。

トルコリラ/円
トルコリラは2021年5月の時点で「17%」という非常に高い金利になっており、非常にスワップの利益効率が高い通貨になっています。しかし、トルコリラは取引量が少なく、レートの値動きが激しい通貨でもあるので注意が必要です。また、トルコ国内の内政状況によってレートが大きく変動することもあります。そのため、トルコリラ円でスワップを狙う際には、トルコと関連諸国の動向もチェックしておくと良いでしょう。
メキシコペソ/円
さらに、近年注目を集めているのが「メキシコペソ」です。メキシコペソはトルコリラほど高金利ではないのですが、為替の変動幅が5〜8円となっていて為替変動リスクが比較的抑えられています。政策金利も、4.25%(2021年2月時点)とトルコリラほど高金利ではないですが、スワップによる利益が十分望めます。
南アフリカランド/円
そして最後は「南アフリカランド」です。南アフリカランドも金利が3.50%(2021年2月時点)となっており高スワップを狙うことができます。そして、南アフリカは新興国であると共に世界有数の資源国でもあります。そのため資源価格と為替価格が連動することが多くあります。
上記の3通貨は高スワップが魅力ではありますが、先進国通貨と比べると価格変動のリスクが大きく、国内でクーデター等が起きた際には価格が暴落する恐れもあります。そのため「ハイリスク、ハイリターン」であることをしっかりと理解しておきましょう。
先進国通貨で安定してスワップを狙う!
新興国通貨はリスクが大きくて気が引けてしまう…という方は先進国通貨でコツコツスワップポイントを狙うのがオススメです。それでは「豪ドル」「米ドル」について紹介します。

豪ドル/円
先進国であると同時に資源国でもあるオーストラリアの通貨です。オーストラリアは年々経済成長を遂げており、豪ドルは安定した通貨であるといえます。また、日本の低金利と比べて豪ドルの金利は0.1%(2021年2月時点)となっており決して多くはないものの、継続的に安定したスワップが狙えます。
米ドル/円
日本人にとって最も馴染み深い外貨とも言える米ドル。米ドルは世界の通貨の中心ともいわれており、通貨取引量も最も多いです。そのため非常に安定した通貨になっています。また、アメリカの政策金利は0.25%(2021年2月時点)となっており、スワップも狙えるバランスのとれた通貨になっています。
スワップポイントが気になる方はこちらもオススメ!FXスワップポイント比較
まとめ
今回はFX取引における「スワップポイント」について紹介しました。スワップポイントはしっかりと特徴を理解しておくと、長期的な利益が狙えることも可能になります。
FX初心者の方はまず、メジャー通貨である米ドル/円の取引などでスワップがどんなものか体系的に身につけてみると良いかもしれません。