なぜゲイのハッテン場はあるのに、レズビアンのハッテン場はないのか…サムソン高橋「メソポタミアでもチグリス川で男同士がコソコソしていたはず」

ハッテン場とは、男性の同性愛者が出会いや性行為を目的に集まる場所である。なぜハッテン場が生まれ、どんな歴史を歩み、どんな機能を果たし、そしてどんな課題を抱えているのか。人間には性欲という欲求が備わっているうえ、LGBTQの認知が広まってきた昨今において、ハッテン場を一種の社会学としてとらえる価値があるはずだ。
そこで、ゲイライターのサムソン高橋氏に、ハッテン場の基礎編から発展編まで、余すことなく語ってもらった。第1回はハッテン場の存在意義について。
目次
ハッテン場とは一体何なのか?
みんかぶマガジンから、ハッテン場について3回の連載を頼まれた。最近攻めているともっぱらの噂のみんかぶマガジンではあるが、これはちょっと攻めすぎにもほどがあるのではないだろうか。
まず第1回は、「ハッテン場とは何か」ということを書いておかなければならないだろう。竹中平蔵やウォーレン・バフェットにも話が通じるように。
ハッテン場とは、ゲイ特有の文化である。具体的に言えば、主に男性同性愛者(中には両性愛者や性欲処理したいだけの異性愛者が含まれることもある)が、同性同士の性的接触を持つために設けられた場所である。
たとえば、忘れられたポルノ映画館の暗闇で。怪しげなマンションの一室で。一見普通だが玄関口になぜか「会員制」と札が出ているサウナの中で。ノンケ――、つまり一般の方々には目の届かない場所で、密やかに「こと」は行われているのだ。
ハッテン場は昔からゲイ文化の中では最も重要な位置を占めてきた。そして、一般社会からは最もかけ離れた場所でもある。初対面の人間同士が挨拶もせずに陰部をまさぐりあうなんて、エロ漫画以外ではなかなかお目にかかることがない。
男の性欲とハッテン場の深すぎる関係
どうしてハッテン場がゲイ文化の中で誕生し、そして重要なものになったのか。