公園、トイレ、銭湯…一部ゲイがわざわざ公共施設でいたす理由 サムソン高橋「ハッテンホモはゼニゴケなので除草してください」

ハッテン場とは、男性の同性愛者が出会いや性行為を目的に集まる場所である。なぜハッテン場が生まれ、どんな歴史を歩み、どんな機能を果たし、そしてどんな課題を抱えているのか。人間には性欲という欲求が備わっているうえ、LGBTQの認知が広まってきた昨今において、ハッテン場を一種の社会学としてとらえる価値があるはずだ。
そこで、ゲイライターのサムソン高橋氏に、ハッテン場の基礎編から発展編まで、余すことなく語ってもらった。第2回は、公園や銭湯などの公共の場で行われるハッテン行為について。
目次
日本に存在する「ハッテン場」は大きく分けると3種類
前回の記事を読み返すと、ちょっと抽象的過ぎたような気もしている。そこで今回はもっと懇切丁寧に、手取り足取り、ハッテン場について具体的に語ってみようと思う。竹中平蔵やウォーレン・バフェットに殴られない程度に。
ハッテン場だが、大きく分けて3種類に分けられると思っている。まず、河川敷の葦原やビーチ近くの松林や公園の茂みなど、自然発生的なもの。公共の場におけるハッテン行為は公然わいせつ罪等に問われることもあるが、実情としては現在にも脈々と受け継がれる一番古い形式のハッテン場である。
前回書いた、古代シュメール人がハッテンしていたであろうチグリス・ユーフラテス川がこれにあたるだろう。ノンケの人が疑似体験したければ、三島由紀夫が書いた昭和文学の傑作『禁色』を読むといい。知る人が読めばだいたい見当がつく某公園でのハッテン模様が事細かに描かれている。
ゲイのハッテン場を作り出す念、そしてそれを嗅ぎつける情熱というのはもはや特殊能力であり、彼らは異能者といっていい。なにしろそういったものがないと、自分と同類の人間に会うことすらできなかったのだ。ネットが発達した現在ならともかく、ひと昔前や、今でもおそらく地方では。まるで哀しきテレパスたちの様ではないか。
その念がちょっと呪いめいたものとして生み出されたのが2つ目。公衆トイレやポルノ映画館や一般銭湯や一般サウナなど、すでに存在する公共施設を利用させていただいているパターンだ。この場合、寂れた、人気のないところを狙って侵入してしまう例がほとんどである。