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55歳定年の元自衛官、フリーエンジニアに転身!65歳から年収を上げられた理由…厳しい自衛隊再就職の現実

 その多くが50代で定年を迎え、民間企業などへの再就職を果たす自衛官。「50代を過ぎた公務員が再就職を余儀なくされる」と聞くと一見厳しそうにも思えるが、防衛大卒のライター松田小牧氏によると、中には65歳以降に年収アップを果たすなど、“50代での定年”をうまく活用している元自衛官もいるという。第二の人生を輝かせるための秘訣とは――。 

※本記事は松田小牧著『定年自衛官再就職物語―セカンドキャリアの生きがいと憂鬱―(ワニブックスPLUS新書)』から抜粋、再構成したものです。 

第1回:法律で50代での定年を強いられる自衛隊、「年収1000万円でもうらやましくない」将官の“その後”の人生の末路

第2回:50代定年の自衛官、再就職で年収700万→100万円台の地獄…早期離職も多い過酷な現実「気が付けば金なくなってた」「思ってたのと違う」

第4回:戦闘機パイロットが再就職後に直面する現実…さらに厳しい“再再就職”の壁

第5回:元自衛官の再就職先NO.1「警備員」の実態…将官も幹部もなぜ警備会社を選ぶのか

第6回:激務で定年数年前に退職、インストラクターから介護の道へ…自衛官再就職の問題点

目次

「50代で定年」は一つのチャンス 

 その多くが50代で定年を迎え、再就職を余儀なくされる自衛官。一見過酷な環境にも思えるが、いまや「定年退官後に働く」というのは決して珍しいことではない。内閣府の「労働力調査」によると、2022年度では実に65~69歳で50.8%、70~74歳でも33.5%もの人たちが働いていることが見てとれる。 

 一般的に、「退職」や「転職」といった事柄は、心理的に少なくない負荷を伴う。アメリカの心理学者ホームズとレイの調査では、ライフイベントにおけるストレスの大きさとして、10位に「退職」、15位に「新しい仕事への再適応」、16位に「経済状況の変化」、18位に「転職」が挙げられている。これらはいずれも「1万ドル以上の借金」や「親戚とのトラブル」よりも高い結果だ。 

 ましてや自衛官の再就職は、30数年間にわたり国家防衛の任にあたった人間が、50代を過ぎて利益を追求する営利企業に勤めることを余儀なくされるケースが多いわけで、営業職がほかの会社の営業職に就くといった転職よりもストレス度が高いことは想像に難くない。加えて、50代後半ともなれば、必然的に自分の身体の衰えを自覚するだけでなく、両親の介護の問題なども出てくる。さまざまなストレスがボディーブローのように効いてくるのが、定年退官した自衛官の状況であるといっていいだろう。 

 しかしその一方で、50代で定年を迎えるからこその利点もある。陸上自衛隊を1 佐で退官し、数多くの著作がある元心理幹部の下園壮太氏は次のように話す。 

「人生100年時代の中、働く高齢者も増加の一途をたどっていますが、65歳まで一つの会社で働き、そこから生き方を変えるのはかなりの困難が伴います。50代でそのチャンスを得られるほうが、圧倒的に柔軟性が高いのです」 

「悲しい事故を減らしたい」アウトドアスクールを開校 

 2022年に55歳、3尉で退官し、埼玉県毛呂山町でアウトドアスクール「WILD FROG Outdoor school」を開校した元航空自衛官の桑原裕則氏も、「金銭的なことを考えれば企業に再就職したほうがいい」ことは十分にわかっていながらも、あえて自身の夢を追った。それは、「65歳、70歳からアウトドアスクールを始めるとなれば、さすがに体力の低下は避けられない。さらに顧客にも『本当にこの人で大丈夫か?』と思われるかもしれない」と考えたからだった。 

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この記事の著者
松田小牧

1987年大阪府生まれ。2007年防衛大学校に入校。人間文化学科で心理学を専攻。陸上自衛隊幹部候補生学校を中途退校し、2012年、株式会社時事通信社に入社。社会部、神戸総局を経て政治部に配属され、2018年第一子出産を機に退職。その後はITベンチャーの人事を経て、現在はフリーランスとして執筆活動などを行う。

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