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神奈川県民が住みたい神奈川の街「海老名」なぜ人気沸騰?「住みたい街ランキング」番外編2位…没落ニュータウンとの決定的な違い

 東大卒不動産評論家の牧野知弘氏が自ら「住みたい街」について論じる大好評連載。最新回は、神奈川県で密かな人気を集めている海老名についてーー。

目次

海老名は2020年SUUMO「住みたい街ランキング」で神奈川県居住者から2位と大人気

 神奈川県の中心部に海老名という街があります。人口約14万人ですが、以前はお隣の厚木市に隠れた地味目な存在でした。なにせ、小田急小田原線、相模鉄道本線、JR相模線が乗り入れる「厚木」駅は、海老名市内にあるのになぜか駅名は「厚木」。諸説ある中、相模川を越えた厚木に鉄道を通すのに費用がかかるため、とりあえず厚木の手前だけど知名度が高いので、ちゃっかり「厚木」と名乗ってしまったのだそうな。

 ちなみに厚木市の中心は小田急線「本厚木」駅周辺です。こちらが本家本元。ところが最近、海老名は本家の厚木を上回る成長と人気ぶり。2020年のSUUMO「住みたい街ランキング」の番外編神奈川県民による住んでみたい街ランキング堂々の2位。2017年に行われた「この2、3年で人気が高くなる街」ランキングでも9位にランクインしています。

海老名といえば「ViNA WALK (ビナウォーク)」

 さて今回の「住んでみるとよい街」は、今人気沸騰の街、海老名を取り上げます。

 海老名という地味目だった名を一気に広めたのが「ViNA WALK (ビナウォーク)」の開業でした。それまでぱっとしなかった小田急線、相模鉄道の海老名駅東口に広大な商業施設ができたのです。1987年に「商業、業務、文化レクリエーション機能の集積」を目標に地区計画が設定され、1994年には事業計画が策定されました。事業主体を担ったのが小田急電鉄です。

 1989年にVINA1号館、2号館がオープンしますが、2002年には3号館から6号館までを含めた複合商業施設「ビナウォーク」としてリニューアル開業しています。ちなみにVINAとは自然礼讃を表現したVIVA NATURE から来るもので、英語のRambling (ぶらぶら歩き)の意味も込めたランブリングテラスという回廊で各館をつなぎ、商業施設全体をViNAWALKにしたのだそうです。もちろん海老名の「ビナ」を掛け合わせているのはいうまでもありません。なるほど、ちょっとおしゃれなネーミングだったのですね。

歩いていても、なかなか楽しい街…ららぽーともある

 開発の波はその後海老名駅の西側に向かいます。2015年10月にJR海老名駅西口前に商業施設ららぽーとがオープンします。また小田急・相鉄の駅とJRの駅間の広大な敷地にも開発が行われるようになり、ビナガーデンズと名付けられます。

 ここには商業施設(テラス)、店舗、学習塾、クリニックなどが入居する複合施設(パーチ)、業務施設(オフィス)にタワマン2棟が配棟されました。また敷地内には海老名市文化会館、中央図書館などの公共施設、小田急電鉄が開設したロマンスカーミュージアムなど多彩な施設があります。ともすると、鉄道線路に挟まれた中州のような土地に見られがちな立地なのですが、歩いていてもなかなか楽しい街になっています。

 こうした開発が陸続した背景にあるのが、海老名駅の交通アクセスが近年飛躍的に向上したことです。

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この記事の著者
牧野知弘

不動産事業プロデューサー。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て三井不動産勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て、2015年にオラガ総研株式会社の代表取締役に就任。ホテルなどの不動産事業プロデュースを展開している。著書に『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)など多数。

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