中学受験なぜ?突発的に倍率が5倍に急上昇した普連土学園…増加する全落ち中受生「親がミス!偏差値だけでは入試難易度読み解けない」

中学受験ブームに首都圏の保護者たちが湧き立つなか、近年「全落ち」してしまう受験生が増えている。「全落ち」とは文字通り、受験したすべての学校に不合格となり、不本意ながら公立中学への進学を余儀なくされるケースだ。受験家庭にとって最も避けたい事態だろう。
なぜこのようなケースが増えているのか。背景には、受験者数の増加や入試形式の多様化など、さまざまな要因が絡んでいる。中学受験の赤本を出版している声の教育社の社長、、後藤和浩さんは「倍率チェックの重要性」を語る。
今回は全落ちが起こる背景と、それを防ぐための対策について詳しく伺った。 短期集中連載全3回の第2回目ーー。
目次
偏差値だけで読み解けない、入試難易度
近年の中学受験の加熱により、思わぬ不合格、その結果による「全落ち」が至るところで起きています。この背景にあるのは、倍率の急上昇にあります。
では、なぜ倍率の急上昇が起きるのか。なぜ、偏差値だけで志望校の合否を占ってはいけないかをお伝えしたいと思います。
学校の入試難易度を指すもっとも一般的な基準は、なんと言っても偏差値です。偏差値は模試のたびに目にしますし、志望校の偏差値は受験家庭であればかなり強く意識しているはずです。
一方、倍率とは合格者数に対して、受験者数が何人かという比率を表す数値です。過去数年の数値と出願が決まってからの速報値を見ることができますが、あまり気にしていないご家庭は多いかもしれません。
講演会などで「中学受験において、倍率も重要です」とお伝えすると、「いや、倍率も含めた難易度は偏差値に反映されるのでは」とご質問を受けることが多いです。実はここに落とし穴があるのです。
倍率について知っておいてほしいことが2つあります。1つはその年の出願傾向によって、倍率は急激に上昇する可能性があること。もう1つはその倍率上昇は、その年の偏差値に織り込まれていないということです。