医学部に強い首都圏の中高一貫校リスト…サピックス偏差値50なのに東大10人超、国公立医学部10人超合格の名門校はどこだ

子供をなんとしても医学部に入れたいーー。そんな願いを抱く教育ママ・パパは少なくない。今回も、そんな方々に向けて学歴活動家のじゅそうけん氏が首都圏にある「医学部に入りやすい中高一貫校」を紹介する。関西編、西日本編と合わせた短期連載全3回の第1回。
目次
医学部受験に強い中高一貫校その1は、サピックス偏差値50ながら、東大7名、国公立医学部16名合格の名門校
医学部受験に強い中高一貫校その1は、開智中高である。
埼玉県さいたま市に所在する男女共学、中高一貫、高校入学の両制度をとる私立高校だ。
ノーベル生理学・医学賞を2015年に受賞した大村智氏が名誉学園長を務めていた時期もあり、埼玉を中心に東京や千葉にも系列の学校がある。
入試日程は第一回、創発クラス(特待A)、第二回、特待B。算数特待と日本橋併願の6つのチャンスが存在し、乱れ打ちをしてなんとか入学する勢力も存在する。
日能研偏差値では第一回、第二回がそれぞれ偏差値52、創発クラスが偏差値62、特待Bが偏差値53、算数特待が偏差値58と唯一2月入試を実施する日本橋併願が偏差値51である。ちなみにSAPIX偏差値では、創発クラス(特待A)で偏差値50となっている。
医学部への合格状況としては、2024年度入試においては、国公立医学部には16人、私立医学部が慶應義塾大学を含めた53人が合格している。なかなかの打率だ。東大にも7名合格者を出している。
開智高校も入試日程が早いために、県立浦和や大宮のような公立進学校がひしめき合う埼玉県では滑り止めに使われやすい。
なぜ医学部合格者をたくさん輩出できるのか…生徒の自己管理を促すしくみ
しかし、開智もまた3年後、6年後の捲土重来に備えて「二月の敗者」たちを三月の勝者へ生まれ変わらせる学習環境が用意されている。
授業第一主義をモットーにiPadを全生徒に配布しデジタル化を進めている。土曜授業を導入した週6授業、また7限授業も取り入れ、1日の多くを学習へ費やす。
特に注目すべきなのが「開智手帳」というシステムである。生徒一人一人が1日の日程、タスクを記録しフィードバックを記入する。
難関大合格を目指す学校、とりわけ医学部進学を目指す高校は管理教育型の高校が多く、大学進学後に燃え尽き、反動などで留年、中退を起こすというデメリットがある。
管理教育一辺倒の学校では、言われるがままに学校の課題をこなすことで効率的に受験勉強を進められる一方で自律心を育てにくい傾向にあるのだが、そのウィークポイントを補うためのこうした試みは見事である。
こうした自己管理の習慣を高校から身につけていくことで、大学入学後、ひいては激務をこなしたり、将来開業するかもしれない医師にとって必要なスケジュール管理の力も養われていくのだろう。