早稲田社学が「ロト6入試」廃止!私文専願勢は切り捨てられた…年内入試・推薦入試の増加がますます格差広げる 2025大学受験ビッグニュース

大学受験といえば、刻苦勉励して長い時間受験勉強に励み、一発勝負の一般受験に挑む。そんなイメージをお持ちの方も多いだろう。
しかし「そのイメージは古い」と話すのが、学歴活動家のじゅそうけん氏だ。「一般受験の時代は終わり、推薦入試の時代になります」という。最新の大学受験トレンドと、2025年に起きる大学受験界のニュースについて語ってもらったーー。みんかぶプレミアム特集「業界大予測」第1回。
目次
受験界隈の変化は著しい
私を知っている方なら既に周知の事実かと思うが、私は2021年に大手金融機関を退職後、受験やキャリアについて発信を行ってきた。
人生をかけたその取り組みの成果もあり、ここ数年は著書の出版やメディアへの出演などの仕事を受注することができ、退職後の人生をどうにか軌道に乗せることができた。
しかし、私もこのままで立ち止まっているわけにはいかない。
というのも、近年の受験は数年の間で大きく変化する。
その潮流に置いて行かれ、知識をアップデートできずに「受験老人」と化した場合には、私は食いっぱぐれてしまうだろう。
どこかのベンチャー社長よろしく、「現状維持は後退」という状況なわけだ。
そこで今回は、上記のような背景もありなんとか受験の流れにキャッチアップできている私が、2024年に起きた受験にまつわるニュースを取り上げながら2025年以降の受験の流れについて紹介していきたい。
東洋大学学力重視型の年内推薦(実質的な一般入試)を導入
1つ目のニュースは、東洋大学が学力重視型の年内推薦を導入したことだ(名称は「学校推薦入試 基礎学力テスト型」)。
学校推薦型選抜というと、評定平均による出願基準があるのではと考える方もいるかもしれないが、この入試方式では評定の出願基準が設定されていない。
東洋大学入試部によると、「志望理由書や学修計画書のような書類の提出も不要で、面接も実施せず、2教科の成績で合格者を決定する入試である」とのこと。
「推薦入試」と銘打たれてはいるが、実態としてはいわゆる「一般入試」と同じ形式として認識して良いだろう。
東洋大学は、2024年度一般選抜の志願者数が第4位の大学であり、いわゆる「日東駒専」と呼ばれる大学群に属す一定のレベルの大学がこのような入試形式を導入したことは、今後の受験にどのような影響を与えるのだろうか。
東洋大の「学校推薦入試 基礎学力テスト型」を受ける受験生はどんな層か…日東駒専の序列に地殻変動が起きるか
この年内入試はどのような層の受験が考えられるのだろうか。私は下記の4パターンに分けられると考える。
①東洋大学が第一志望の受験生が受験
東洋大学が第一志望の受験生にとっては、2月の3科目入試と違い得意な2科目で勝負できる上、仮に落ちても再チャレンジが可能、もし受かれば年内に受験終了、もしくは東洋大学を「利確」した上で上へチャレンジする事もできるなど、一切のデメリットがない。
そのため、東洋大学を第一志望にする多くの学生が出願を行うと考えられる。
②「日東駒専」ならどこでも層の受験
①で挙げたような、「絶対東洋!」という層も一定存在するだろうが、「日東駒専レベルのどこかにいければそれでOK」という層も一定数存在することは事実だろう。
この年内入試は、2月に行われる日東駒専の入試の多くが3科目受験なのに対し2科目で受験できることから「コスパのいい受験方式」として、この層の多くの受験生に受け入れられるだろう。
また、東洋大学の年内入試で年内に合格を手にした時点で、大学受験を終了する受験生が出てくれば、日本大学や駒澤大学、専修大学等の一般選抜出願者数に影響が生じ、日東駒専の序列にも地殻変動が起きる可能性がある。
GMARCH受験生の多くが「第一希望のすべり止め校」を東洋大にする可能性
③GMARCH第一志望受験生が併願先として受験
GMARCHを第一志望とする受験生が一定数東洋大学を併願先とすることは想像に難くないだろう。
それに加え、GMARCHの試験日が集中する2/5~2/12頃には日東駒専クラスの大学の入試も一定数行われており、本当はできるだけMARCHの数を打ち、合格可能性は上げたいがリスクヘッジとして日東駒専も…というジレンマを抱えるのは毎年の風物詩だったと言って良い。
そこで「学校推薦入試 基礎学力テスト型」で年内に東洋大学の合格を確保しておけば、年明け以降はMARCHに対し受験日程的にも試験対策としても集中できるというわけだ。
また、東洋大学としても、入学手続き金の納付日程を12/17日に設定していながら最終の入学手続きは2/28に設定されており、このような層の受験を見込んでいると見て間違いないだろう。
④「大東亜帝国」志望者のチャレンジ受験
「大東亜帝国」といわれる大学群の一般選抜の入試教科数は、帝京大学を除いて2教科の入試方式が大半だ。
東洋大学の年内入試が2科目であることから、3科目受験に自信のない「大東亜帝国」受験層がチャレンジ受験として受験する可能性もあるだろう。
もし合格を掴み取り、ここで受験を終えることになる場合、「大東亜帝国」や他の「日東駒専」の出願数にも影響するだろう。
「年内の進路決定」が主流となる未来も近い
上記のパターン分けから見えてくる予想としては、上位大学の受験者数に大きく影響を及ぼすことは考えづらいものの、中堅〜下位大学の受験者数には大きく影響を及ぼすだろうということだ。
東洋大学の後を追うように「日東駒専」「大東亜帝国」の各大学が年内入試を導入すれば、受験者のレイヤーによって12月と2月に受験のピークが2分化し、正月に机に齧りつくのは偏差値ランキング上位の大学受験者のみ、という光景になる日も近いのかもしれない。