9割の親が知らない国語力の上げ方…国語塾代表が解説する「育てるべき3つの力」言いかえる力、くらべると…

中学受験で合否をわけるのが算数と国語だ。この2科目は多くの学校で配点比重が高く設定されている。また思考力や処理能力を掘り下げて問う学校が多いことから、受験生にとって差がつきやすい科目だ。
「国語は重要科目であると同時に、一般的に成績が伸びにくい科目だと認識されています。しかし、伸ばすための方法論は確実に存在します。にも関わらず、世間では『ひたすら読書をすれば国語の成績は伸びる』といった投げやりなアドバイスがまかり通っているのが現状です」
そう語るのは、ふくしま国語塾 代表の福嶋隆史氏だ。
「世の中には、正しい方法論に出会えずに国語力を伸ばせていない子がたくさんいます。まずは、中学受験国語の特徴を知り、そのうえ国語力を伸ばすための正しい方法論を身につけてほしい。そのなかで家庭でできること、親御さんがしてあげられることがたくさんあります」
著書累計100万部突破の国語指導者 福嶋氏に国語の成績の伸ばし方を3回にわたって伺った。(第1回)
目次
成績を伸ばすなら「自由」を奪え
まず知ってほしいのが、受験の国語と学校の国語が全くの別物であるということ。学校の国語の授業は作品を味わうとか、鑑賞することに重きを置きがちです。
そして、アウトプットをする際には白紙を渡されて「自由に感想を書きなさい」と言われる。
一方、受験の場合には、長文を読み込んで正しく情報を拾い出し、再構成をするという力が求められます。与えられた条件に対して、正しく情報を拾い出すテクニックがあるのは当たり前ですし、そうした方法論をしっかり定着させるまでトレーニングすることが大事です。
しかし、多くの国語教育の現場では、教える=悪であると思っている人が多い。自由にやらせる事が善だと思われている。この「自由」こそが、ある意味、子供の成長機会を奪っている。まずは、「自由に解く」のではなく、正しい方法論に沿って国語の問題を読み解く練習をすることに意識を切り替えましょう。
メソッドに沿った学習を繰り返す
国語の場合、同じ問題に再び会うことはほとんどありません。そんななかで、場当たり的に「解けた」「解けなかった」ということを繰り返しても成績向上にはつながりません。
では、どうしたら良いのか。
それは常に立ち返る、バイブルのような学習メソッドを持っておくこと。そして、解けなかった問題、理解できなかった問題に直面したときに、そのメソッドに立ち返って、なぜ解けなかったのかを振り返ることです。
私の提唱しているふくしま式であれば、下記の3つの力を育てていきます。
・言いかえる力(抽象・具体の関係を整理する力)
・くらべる力(対比関係を整理する力)