中学受験の合否を分ける「親子の会話」…常日ごろから意識してほしい「3つのフレーズ」難しい言葉を翻訳しすぎてはダメ!

中学受験で合否をわけるのが算数と国語だ。この2科目は多くの学校で配点比重が高く設定されている。また思考力や処理能力を掘り下げて問う学校が多いことから、受験生にとって差がつきやすい科目だ。
「国語は重要科目であると同時に、一般的に成績が伸びにくい科目だと認識されています。しかし、伸ばすための方法論は確実に存在します。にも関わらず、世間では『ひたすら読書をすれば国語の成績は伸びる』といった投げやりなアドバイスがまかり通っているのが現状です」
そう語るのは、ふくしま国語塾 代表の福嶋隆史氏だ。
「世の中には、正しい方法論に出会えずに国語力を伸ばせていない子がたくさんいます。まずは、中学受験国語の特徴を知り、そのうえ国語力を伸ばすための正しい方法論を身につけてほしい。そのなかで家庭でできること、親御さんがしてあげられることがたくさんあります」
著書累計100万部突破の国語指導者 福嶋氏に国語の成績の伸ばし方を3回にわたって伺った。(第2回)
目次
子供扱いは学力向上の敵
国語力の軸である3つの力、それらを育てるために重要なのが、抽象的技術と具体的事例を往復していくトレーニングを積むことです。
このトレーニングは、日常会話のなかでいくらでも積むことができます。
たとえば親子のなかで、日常会話で「どういうこと?」「違いはどこ?」「どうしてそうなったの?」と聞いてやってください。
これらの質問は、国語の問題っぽく言い換えれば「言い換えて別の表現をしなさい」「違いを説明しなさい」「理由を述べなさい」という意味になります。これらの質問に答えるには、具体的な表現を抽象化したり、抽象的な部分に具体例を挙げたりして答えなくてはなりません。
こうしたコミュニケーションをとっている親子と、子供を子供扱いして言いたいことを先回りしている親子とでは、国語力に必然的に差が出てしまいます。
ご家庭での会話を変えていくには、まず「難しい言葉を翻訳しすぎない」ことを心がけてください。子供の理解に合わせて平易な言葉を使いすぎると、語彙力も増えませんし、文脈から言葉の意味を推測する力が身につきません。
また、耳にした文章や説明を自分の言葉で言い直す機会を与えることも大事です。