菊地成孔の最新時事「フジテレビ港元社長の会見は…」過去最高に酷いアメリカ政権、故デヴィッド・リンチ監督はティファニー株を上げた?

サックス奏者、作曲家、文筆家、ラジオDJ、大学講師……と、ジャンルを超えて才能を発揮する菊地成孔氏による2025年最初の連載回。今回も「無知」を自称する株の話題から転がっていき、トランプ政権が再び誕生したアメリカ、渦中のフジテレビ問題、訃報のあったデヴィッド・リンチ監督まで、日常の隙間に入り込んだニュースをユーモラスな筆致で描いていくーー。
目次
前回「合衆国共和党株」と書いて赤っ恥…
みんかぶ読者の皆さんこんにちは!皆さんが選んだ株は上がったり下がったりしていますか!? あっ、そういうことではないんですか。わかりました!!「ドナルド・トランプの作り方」観ました? え?新しいニンテンドースイッチの発表でそれどこじゃねえ? わかりすぎました!!!
いやー、しかし連載3回目にして、顔真っ赤っかですね(笑)。 決して血圧が高いとかじゃなくて!! いくら「株のことを本当に知らないからこその連載」とはいえ、前回、こーんなこと書いちゃったんですよね。
<しつこいようですが、僕ホントに株のこと何も知らないんですよ。ですけどきっと、今や株って「〇〇自動車、買い!」とかいう世界じゃないですよね。そのぐらいわかるんだから! 絶対に「合衆国共和党株」とか「スイング・ステート(民主党支持と共和党支持が毎回入れ替わるんで、大統領選で奪い合いになる州ーーミシガン、ウィスコンシン、インディアナ、オハイオ、ペンシルベニアーー株」とか、「ビフテキの付け合わせポテト株」とか、「全米株式市場株」とか、何から何まで株価がついちゃうと思い込んじゃいますよー。この歳になってからヘタに株について考え始めると。
だって読者の皆さん、きっと「トランプ支持」とか「反トランプ」とかいうリージョンじゃなくって、トランプがここでこう動いたから、この企業の株価が上がるとか下がるとか、そもそも<アメリカ合衆国株>でしょうもうこうなったら!僕の読みではアメリカ合衆国の株価、今、上がっちゃってますよね!!変な風に!!>
ココ、書いた本人は「そんなモンある訳ねえじゃんw」って突っ込まれる予定のトコだったんですよ〜。でも、普通にあったねえ合衆国株……。原稿投げ入れてすぐに、街歩いててもタクシー乗ってても「合衆国株なら〇〇」みたいな広告がドワーっと出てきて、「なんだよもう~」ってなっちゃいましたよ!
現在のアメリカは生きてきて一番酷いかも
と!思ったら、これって「アメリカの企業の株を買う」という話だったんですね!微妙な2段オチ!!僕が言いたかったのは「アメリカ合衆国」っていう株も、あるんじゃないか?という意味だったんですけど、変な風にカスっちゃいました、やっぱ株って苦手!!「エヌヴィディア買ったけどいっぱい下がっちゃった」とか、そんなもん珍しく本気で言うけど、面白くもなんともないね!!
それだったら<ナスダック100を風呂に入れると、湯上がりでも顔が真っ赤っかのまま火照りが止まりません。てっきり保温効果だと思ったら更年期障害だったから>とかの方がいくらか面白いですよ。まあこれAIに「アメリカ株を1ワードだけ使ったナンセンスなギャグを作ってくれ」って頼んだ結果ですけどね!
それでも、トランプとバイデンが2人して「イスラエルとハマスに停戦させたのはこのオレだ」とか言い合ってる状況の方が、ブラックジョークとしていくらか面白い程度にアメリカ酷いねー!本当アレ酷いねー。僕の世代だとニクソンからがリアルなんですけど、ウォーターゲート事件の時はベトナム戦争も含めて、もうアメリカの大統領ってのはダメとか言われながらも、まあまあ、誰もが夢は捨ててなかったんですよね。
フジテレビ港元社長の会見は「笑えるぐらいセコかった」
でももう、61年生きてるけどあんなに酷いの見たことないなー。僕、英語なんか受験投げてる中学生程度ですけど、USスティールが出した声明文見てみたら、もう爆笑モンにブチ切れてて、90年代ぐらいからずっと言われていたことだけど、やっとアメリカが本当にダメになったなと思いました。<アメリカ合衆国株>は底値ね、今ね。