プロ講師が断言!偏差値60以下は日能研か四谷大塚に行け…「SAPIXは老舗の寿司屋」通わせてはいけない家庭、3パターン

開成や桜蔭といった最難関校、その合格者の7〜8割がサピックス生だ。中学受験ではこの状況が、もはや「当たり前」のように受け止められている。
しかし、冷静に考えてみると、高校受験や大学受験では、特定の塾がここまでトップ校の合格者シェアを独占することはない。東大や京大の合格者数のうち、大手予備校の東進や駿台、河合塾などの占める割合は全体のそれぞれ2〜3割程度に過ぎず、当然塾なし合格者も存在する。
なぜ、中学受験だけは、サピックスの圧倒的一強体制が続いているのか?
今や、多くの家庭がサピックスを選び、それが「受験の王道」となっている。気づけばなんとなくサピックスに通わせる家庭も少なくない。
さぞかし、教師や教材の質が高いのかと思いきや、プロの目から見ると決してそんなことはないという。
「サピックスの教材や講師の質は『普通』です。プロから見れば特別にクオリティが高いわけではない。サピックスの強さの秘訣は、それとは全く違うところにあるんです」と、進学塾VAMOS代表の富永雄輔氏は語る。
なぜサピックスだけが勝ち続けるのか?その強さを生かせる家庭と、そうでない家庭の違いとは?今回の連載では、その疑問について掘り下げていく。全3回の第2回ーー。
目次
サピックスは老舗の寿司屋だ
「SAPIXは受験塾でサービス業なんだし、各家庭の事情や子どもの学習進度などを多少は配慮してくれるのでは」と思うかもしれません。
はっきり言います。期待してはいけません。
サピックスは生徒や保護者が増えて、塾が大衆化しても教育レベルを変えずに高いまま維持してきました。
広く誰にでも受け入れられる塾になることよりも、塾の教育理念を重視したのだと思います。
サピックスは銀座の高級寿司店のようなものです。高級寿司屋はお店側が客に対して、一定のルールやマナーを求めます。「お金を出しているのだから、あれをやってくれ、これをやってほしい」と言っても「お帰りください」と言われてしまう。
高級寿司屋を楽しむには、最低限のルールやネタを頼む順番など、必要な素養が必要なように、サピックスも通う側に一定のリテラシーや覚悟が必要です。
中堅校を最初から志望するのであれば
もし、中堅校を最初から志望するのであれば、四谷大塚や日能研、早稲田アカデミーの方が向いているかもしれません。これらの塾は演習量が確保されており、いわゆる「普通の子」が努力で着実に学力を伸ばすことができます。
偏差値60以下の学校への合格実績で、サピックスより高い結果を出している塾もあります。お子さんの目指す学校や偏差値帯によっては、サピックスが最適でないこともあるのです。
サピックスは受験ガチ勢で、なおかつ親御さんが受験にフルコミットできる場合には非常に強みを発揮する塾なのです。
サピックスに向いてない家庭3パターン
一方でサピックスに向いてないご家庭の特徴は3つです。