今、本当に面白い番組6つ!『KILLAH KUTS』、痛々しすぎる35歳以上の恋愛ドキュメンタリー…「街録ch」三谷三四郎選出

「テレビ離れの原因はつまらなくなったからではない。ただ不便なだけ」と話す『街録ch』主催者の三谷三四郎氏。実際のところ「テレビを観る機会が減った」という三谷氏に、今、面白い番組を6つ厳選してもらった。コンテンツの質は昔に比べて格段に上がっている。みんかぶプレミアム特集「テレビ 終わりの始まり」第8回。
構成/國友公司
目次
35歳以上の男女が共同生活を送り恋愛をする『あいの里』
――『街録ch』の動画が2000本を超えました。とんでもない量ですね。
三谷三四郎(以下、同)
ショート動画も換算されていますが、もしかしたら『街録ch』で1000人以上にインタビューしているかもしれないです。
――おそらく日本一「人の話を聞いている人」じゃないですか? でも、人の話ばかり聞いているわけではなく、ディレクターの視点から日々いろんな番組を観ているわけで。最近だととくに何が面白かったですか。
Netflixの『あいの里』は面白かったですね。
※あいの里
さまざまな経歴を持つ35歳以上の男女が、共同生活を送りながらパートナー探しに挑む。もう一度恋がしたい彼らに運命の出会いはあるのか、それとも一人で去ることになるのか(出演:田村淳、ベッキー)
恋愛リアリティーショーって本来若者のものじゃないですか。だから、基本的にキラキラしていて、映えていて、だけどその中に人間関係のドロドロしたものが見える。でも『あいの里』は35歳から上は60代までいるんですよ。55歳と60歳の恋愛なんて見たことないじゃないですか。
そういう人たちが共同生活したときに変なトラブルが起こるんですよ。50代の住人が「眠れない」っていうので睡眠薬を服用していたんですけど、それに対して40代の住人が「こういう里で暮らしているのにそういう薬を服用するのはどうなんだ」という感じで突っかかって揉めるんですよ。そんな大人の喧嘩見たことないじゃないですか。
――若干キツそうですが、たしかに面白そうです。
30代の女性はまだ出産を考えているので、「結婚相手を見つけたい」っていう気持ちで来るんです。一方、50代の女性は結婚というよりも「最後の恋愛をしたい」という気持ちで参加するんですよね。そうなると男性の好みが被ったときに50代のほうは「譲ろう」「見守ろう」みたいなスタンスになるんです。
それで、「私なんていても意味ないんじゃないかな」と悩み出す。でも後半になるとその人が急にモテ出したりする。僕も最初は見るのしんどいなと思っていたんですけど、まんまとハマりましたね。これ、僕が『あいのり』世代だから面白いのかなと思ったんですが、20代にも人気なんですよ。恋愛リアリティーショーには普遍的な面白さがあるんだと思います。
今はドラマの名作がとにかく多い
――前回の記事ではバカリズムさん脚本の『ホットスポット』というドラマが面白いと言っていましたね。
今はドラマなどの「創作物」がとくに面白いと言えるでしょうね。きっと今がマックス面白いですし、今後もその面白さは更新されていくんじゃないでしょうか。これもNetflixで配信されている番組なんですが、『First Love 初恋』というめっちゃ地味な恋愛ドラマがあるんです。