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今、中国人富裕層が湾岸タワマンを爆買いしている実態…不動産コンサル「それでもまだ値上がり続ける」4つの条件

(c) AdobeStock

 東京23区の新築マンションの平均価格が1億円を突破する状況の中、個人向け不動産コンサルティング会社さくら事務所会長の長嶋修氏は「それでもまだ東京の不動産は海外に比べると割安感がある。一等地はまだ価格が上昇していくだろう」と話す。日本の不動産の今後について、長嶋氏にうかがった。みんかぶプレミアム特集「マンション 勝利の方程式」第3回。

目次

日本の不動産は「出遅れ株」のようなもの

 日本では2012年末に自民党が政権を奪還して以来、アベノミクスや黒田バズーカの影響もあり、マンション価格はずっと上昇傾向にあります。金利も上昇する中で、「いまは不動産バブル。そのうち弾けるはずだ」といったことも数年来言われています。

 しかし、2008年にリーマンショックが起こったとき、世界の先進諸国は比較的すぐに立ち直りましたが、日本は株も不動産も立ち直るのが非常に遅かった。そのため、不動産価格が上昇したといっても、ニューヨークやロサンゼルスといった世界の主要都市と比べると、まだ日本の不動産は圧倒的に割安です。日本の不動産は、世界で見ればまだ出遅れ株のような位置づけにあります。

 さらに日本には、食べ物がおいしくて安く、治安もよく、清潔であるなど、いいところがたくさんあります。そのうえで住宅価格が割安なわけですから、今後は「住むなら日本が一番だ」と、日本が一人勝ちする可能性すらあると思っています。

 また、トランプ米大統領はいま「日本の円は安すぎる」と言っていますよね。そのようなことも踏まえると、日本はこれから円高になっていく可能性が高いと思います。今後円高に振れることがわかっているのであれば、外国人がいまのうちに円を買い、その円で日本の株や不動産を買う流れも一定程度出てくると考えています。 

なぜ中国人は都心湾岸エリアのタワマンを「爆買い」しているのか

 実際、いま東京の不動産には外国人マネーがかなり流入してきています。明確なデータはありませんが、関係者に話を聞くと、いま都心湾岸の新築タワーマンションを売りに出すと、「大体10~15%くらいは外国人が買っていく」と聞いています。私も現地に行ってみたところ、外国の方、とくに中国系の方が非常に多く歩いていました。日本の不動産の割安感に加え、中国経済が頭打ち感を見せていることも影響しているようです。

 このようなことを言うと、「外国人が増えるとトラブルが起こるのではないか」といった話になりがちです。ただ都心の一等地を買うことのできる外国の方は、限りなく日本に馴染んでいこうとされる方がほとんどですので、いまのところ大きな問題が起きているといった話は聞きません。

 なお、中国をメインとする外国の富裕層のマネーは、結局、東京や大阪、福岡県の立地の良いマンションに流れます。こういった人たちは、「郊外の物件を買い、電車とバスを使って都心まで出てくる」といった選択肢はまず取りません。とくに中国系の方たちは、「せっかく成功したのだから、田舎には住みたくない」と考え、近未来的な都心の湾岸地区が非常に魅力的に映るようです。

 中には「円高になると外国人から見た不動産の魅力が減る」という人もいます。ただ2つの国の通貨間で同じ商品やサービスが同一価格で購入できる為替レートを示す指標である購買力平価は、1ドル100円を切っています。ですから、多少円高に振れたくらいではまだまだ割安の状態にあります。

金利が上がっても、一等地の不動産価格は下がらない理由

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