「開成合格確率80%の生徒」に打診される謎のツアー…公園、カラオケで最終講義!関西最強「灘中」受験の恐るべき実態

1月18日、今年も関東から数多くの受験生が、大挙して関西の超名門校「灘中学校」を受験した。その数は1都5県で合計179人に上る。
「関東の塾は毎年、超優秀層の子たちを対象に『灘中受験ツアー』を実施しています。塾の先生が受験生を関西まで引率し、ホテルの会議室で最終講義を行い、当日はホテルから受験会場までの案内をするのです」
そう語るのは、進学塾VAMOS代表の富永雄輔氏だ。塾が「ツアー」を実施しているのは「早稲田アカデミー」や「グノーブル」など。実際に「希学園」などは先生が引率もする。
「『灘中受験ツアー』に参加できるのは各塾の最優秀層のみです。彼らの中には、灘中を筆頭に開成・筑駒など最難関校に軒並み合格する子も珍しくありません。『灘中受験ツアー』には塾側にも、受験生側にも大きなメリットがあります。コロナ禍に一時的に下火になりましたが、ここ数年で復活しつつあります」
はたして、どんな子たちが参加しているのか。彼らはどんな学習方法をとっているのか。長く中学受験を見てきた「中学受験のプロ」である富永氏に聞いた。
目次
灘中受験の異様な雰囲気
関西のトップ校である灘中の入試は関東の受験と比べると、かなり特殊です。
まず特徴的なのが入試日程。灘中入試は2日間にわたって行われます。1日目は国語・算数・理科。2日目が国語・算数となっています。国語・算数は2日間で幅広い能力が問われます。その一方で、入試科目に「社会」は含まれていません。
2日間でじっくりと能力を見定める入試は、中学受験で灘中のみ。受験者も関西以外に関東、愛知、福岡など全国から幅広く集まります。問題の質・量、受験生のレベル、どれをとっても「日本最高峰の入試」と言えるでしょう。
また、灘中の入試は受験会場の「雰囲気」も関東とかなり異なります。浜学園、希学園、馬渕教室といった大手塾では、生徒を近所の公園やカラオケに集めて最終講義を行なってから受験会場に送り出します。