トップ校複数合格の受験生、2パターン…なぜ?中受、御三家蹴って聖光・渋渋・渋幕・豊島岡に行く生徒が増加

全国から数多くの受験生が大挙して挑む超名門校「灘中学校」。関東の超優秀層も進学塾が実施する「灘中受験ツアー」に臨み、本番に向けて最終調整する。
「『灘中受験ツアー』に参加できるのは各塾の最優秀層のみ。ツアーには塾側にも受験生側にも大きなメリットがあります」。このように語るのは、進学塾VAMOS代表の富永雄輔氏だ。
はたして、どんな子たちが参加しているのか。彼らはどんな学習方法をとっているのか。長く中学受験を見てきた「中学受験のプロ」である富永氏に聞いた。
目次
トップ校に複数合格する受験生には2つのパターン
これまで数千人の受験生を指導してきた経験から、トップ校に複数合格する受験生には2つのパターンがあると感じています。
1つは「勉強を本気で楽しめる子」です。このパターンの子は勉強そのものが楽しいので、そもそも周りの目や、模試の結果自体には興味がないことが多いです。
算数で解けない問題を解答を見ずにじっくり考えることを楽しんだり、時間がかかった問題に違う解き方はなかったかなどを追求したりすることに楽しみを見出しています。国語の文章題の続きを本で読みたがったり、理科社会の図鑑を好んで読んだりする傾向もあります。
自分で考えたり、試行錯誤することに時間を使っているので、このタイプの子は本質への理解が深いことが多いのです。そのため、応用問題への対応力が非常に高いと言えます
一方、努力でこのレベルに到達する子もいます。彼らの場合、センスや才能はそこまでないのですが、「コツコツ型」の努力を150%まで極めています。
暗記や出題パターンの決まっているものについては、決して落とさないレベルに仕上げれば、最上位校に複数合格することも可能です。ただし、典型的な問題については、毎回決してミスをしない、暗記科目については資料集の欄外まで網羅するレベルの知識が求められます。
どちらのパターンも、最初は1教科だけ本気で取り組めるものを見つけてやりましょう。1教科で学習のコツや勉強への自信をつけてやると、子供は「他の教科でも、同じように頑張れるかも」と良い意味で勘違いしてくれます。
変わる⁉群雄割拠の関東入試
以前であれば「灘中受験ツアー」に参加した子たちは、第一志望筑駒、第二志望開成というのが当たり前でした。しかし、近年は聖光学院や渋渋、渋幕を選ぶ受験生も珍しくなくなってきています。