渋幕、西大和、麻布…中受プロが伝授!合否を分ける「思考・教養力」の鍛え方「詰め込み型では合格できないトップ校」

「中学受験は知識を詰め込んだ者が勝つ」
そんなイメージが過去のものになろうとしている。
近年、トップ校の出題傾向が変わり、知識・パターン問題偏重の入試から、深い思考力や高い教養力を含めた「知の総合力」を問う入試にシフトしつつある。
中学受験の入試問題を長年研究している中学受験専門塾「 ジーニアス」の松本亘正代表は、トップ校入試の中で問われる能力が「質的」に変わってきたと断言する。
「聖光学院、筑駒、麻布、渋幕、女子学院といったトップ校では、塾のテキストの丸暗記だけでは解けない問題が数多く出題されるようになってきました。問われるのは、与えられた情報をもとにその場で考える思考力や幅広い教養・知識です。従来型の詰め込み教育では、合格は難しいと言えるでしょう」
トップ校がこうした問題を出題する背景には何があるのか、どのように対策を進めたら良いのか。「ジーニアス」の松本氏に問題分析と解説を聞いた。全3回の第1回ーー。
目次
「国語」「社会」の難易度が上昇している理由
中学受験でここ数年大きく変わったのが、国語と社会です。国語は出題される文章のレベルが格段に上がり、学校によっては大学受験レベルの難易度になっています。
必要な読解力や背景知識などが、格段に上がったという印象です。
社会はデータや資料を読み取り、考察する問題が増えています。また、自分の意見を交えて記述する問題も増加傾向です。また、大人レベルの一般常識や教養も問われるようになっています。
下記の問題は実際に渋幕、西大和学園、麻布で実際に出題された問題です。ちょっと目を通すだけで、知識だけでは解けないことがお分かりいただけると思います。