ドルトン、田園調布、大宮開成…隠れた名門を・中受プロが伝授! ミスマッチを防ぐ、我が子「4タイプ」判定法

中学受験で多くの親が気にしてしまうのが「偏差値」だ。わが子の偏差値が上がらない、偏差値60以上の学校に進学させたいなど、親の悩みには常に数字がつきまとう。
「せっかく受験するなら、少しでも偏差値の高い学校へと願うのは自然なことです。しかし、理想の偏差値に達していない学校には行く価値がないとか、偏差値が上がらないなら受験は辞めた方が良いという考えは早計です」
そう語るのは、個別指導塾「Growy」代表のユウシン氏だ。
「偏差値40前後の学校の中にも、生徒をしっかり伸ばしてくれる“隠れた名門校”が存在する」「偏差値だけで学校を決めてしまうのは、非常にもったいない」と力説する。
メディアが注目するのはどうしても有名校ばかりで、偏差値が高くない学校の情報は意外と少ない。偏差値帯が高くなくても魅力的な学校は、なかなか知られることが少ないのだという。
魅力や志望校選びのヒントを探っていく。全3回の第3回ーー。
※中学受験は、首都圏模試・日能研・四谷大塚・サピックスなど、それぞれ受験者層が異なるため模試によって偏差値の出方が大きく変わる。この記事の偏差値は四谷大塚偏差値を基準としている。
目次
オススメする「名門校」選びのポイント
偏差値40前後の学校の中には、魅力的な教育を行っている「隠れた名門校」がある一方で、生徒集めが上手くいっていない学校、魅力の乏しい学校も一定数存在します。だからこそ、わが子に合った学校かどうか、じっくり見極めていくことが必要です。
志望校選びでもっとも大切なのは「実際に学校を見学すること」。写真やパンフレットでは見えない、校舎の空気感や生徒の雰囲気に触れることはとても重要です。
受験校を決定する小6の冬までに、20校程度に足を運んでほしいと思います。知名度で20校を選んだり、闇雲に20校を選ぶのはあまり賢い方法ではありません。
私がお勧めしている方法は、学校のタイプを4つに分けて見学先を選ぶこと。
分け方の1つの軸が生徒指導の方針が「自由型」か「サポート型」かです。「自由型」は、子どもの自主性を重んじるスタイルで、比較的放任主義的な指導をします。のびのびとした環境で育てたい家庭に人気があります。一方の「サポート型」は、生活面や学習面での管理をしっかり行い、日々の学びを丁寧に積み上げてくれます。
もう1つの軸が、教育の方向性が「探究型」か「入試対策型」かです。「探究型」は、郊外学習やプロジェクト型の授業を通して、好奇心や主体性を育てていくスタイルです。「入試対策型」は、大学入試を見据えたカリキュラムがしっかり組まれ、学力を着実に伸ばせるのが特徴です。
この2つの軸で学校を分類して、それぞれのタイプを複数校見学に行ってみてください。「自由×探究型」の学校としては芝国際やドルトン東京学園。「サポート×入試型」の学校には共立女子、田園調布、大宮開成などが挙げられます。学校のタイプがわからない場合は、塾の先生などに相談してみると良いでしょう。
各学校の特徴については、模試や日々の勉強からは見えない部分です。各種雑誌やインターネットなどで積極的な情報収集に取り組んでください。