もう上司はあなたに指摘してくれない…元電通マンによる会食をスムーズに進めるマル秘テクニックを大公開

元電通社員で多くの会食を経験してきた会食専門家/幹事研修講師のyuuu氏は、「自分の人生は会食で変わった」と話す。会食の場を盛り上げるテクニックや注意事項、会食“後”に実施すべき事項について、「ビジネス会食 完全攻略マニュアル すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド」(ダイヤモンド社)著者のyuuu氏にうかがった。 短期連載全2回の第2回。
目次
相手の情報をひけらかさない
会食を盛り上げ、ビジネス目的の達成に近づくには、相手がいまどういったステージにあるかをリサーチしておくことが必要です。最近では、ある程度有名な方であればChatGPTで調べれば情報が出てくることもあります。そういったものも活用しながら、効率よく情報を収集してほしいと思います。
ただし、会食の場でその情報をひけらかすように話してはいけません。会食では、相手から話を引き出し、徹底的に聞き役に徹するのが基本的な姿勢です。どういう話をすれば相手が食いつきそうかを考えながら、話題を振るのです。
たとえば相手について、「サッカーが好きで、週末にはサッカーをしている」という情報をつかんでいたとします。そんなときは「サッカーをやってらっしゃるとお聞きしました」とは言いません。「土日はどういったことをされておられるのですか」「身体がすごく締まっていますが、何かスポーツでもされているのでしょうか」といった投げかけをして、相手から話を引き出すのです。そこで「僕も好きなんですよ!」と言えば、自然と話は盛り上がっていくと思います。
ただし、相手の好きなものに対して、自分がまったく興味が持てないこともあると思います。そんなときは、なぜそれが好きなのかを教えてもらうことが効果的です。たとえば、相手が「クラシック音楽が好き」だとします。そうしたら「好きになったきっかけ」や「どういうところが好きなのか」を聞いていく。そうやって、その人の価値観を知る流れにつなげていくのです。
そのうえで「私はこれまでクラシックに興味がなかったのですが、お話をうかがって聴いてみたいと思いました!ぜひまた後日感想を送らせてください」などと言って、次につなげていくことをお勧めします。
会食の場で意思決定を求めない
会食の場においては、仕事にかかわる話は当然出てくると思います。ただし、その場で仕事における意思決定を求めるべきではありません。また、自社の目的についても伝えすぎないことが重要です。たとえば「コンペで勝ちたい」とか「期末までに案件がほしい」などと口にするのは悪手です。
もちろん相手から積極的に話を振ってくれる分にはいいのですが、そうではない場合、先方から「そのためにこの会食を設定したんだな」と思われてしまうと、場がしらけてしまいますよね。そうなってしまうと、会食がうまく機能しないどころか、マイナスに作用することもあります。
もし自分の立場で考えたとしても、あからさまに情報を聞き出そうとしてこられたら、不信感を持ちますよね。そもそもたとえば「3か月後のコンペに勝ちたい」という目的があったとすれば、会食における目的としては「コンペに勝つ“貢献をする”」などと設定すべきでしょう。
また、つい会食の場で飲みすぎてしまう人もいますが、これは言うまでもなく信頼感を損なう行為です。私はアルコールを1~2杯くらいしか飲めませんが、過去に「アルコールが飲めない」と言って気分を害するクライアントはいませんでした。
飲み会でつぶれてしまうような人は、まずは自分の許容量の限界を知っておくことが重要です。そして、先方にもきちんと伝えておく。私の場合、自分の許容量を越えてしまいそうになったときのために、「私がウーロンハイを頼んだら、ウーロン茶を出してください」などと事前に店と調整しておくこともありました。あとはよく効く胃腸薬やサプリ。私の場合、「恵命我神散」を常備していました。