25年度入試で医学部合格者数を激増させた東京の中高一貫校3選…20年前無名校から医学部合格者数91名!制度変更で医学部合格者82名まで大躍進を遂げた学校はどこだ

医学部人気高騰の筆頭は、東京の名門校にも地殻変動を起こしつつある。学歴活動家のじゅそうけん氏によると「ひと昔前であれば東大を目指していた子が多い名門校も、一部は医学部志向になってきている」という。では、2025年度入試ではどんな中高一貫校が医学部合格者数を増やしたのか。じゅそうけん氏が紹介するーー。みんかぶプレミアム特集「医学部受験 完全攻略法」第3回。
目次
25年度入試で医学部合格者数を伸ばした東京の中高一貫校その1…医学部合格者数は驚異の140名!名門中の名門
25年度入試で医学部合格者数を伸ばした東京の中高一貫校その1は、桜蔭中高だ。
言わずと知れた全国No.1女子校で、女子校としては唯一、東大合格者ランキングトップ10争いを毎年繰り広げている。
2025年度入試でも東大合格者数51名を記録し、なんとかトップ10入りを果たした。
そんな本校は、医学部合格者数の多さでも有名で、25年度入試では脅威の140名を記録。うち国公立医学部には39名の合格者を輩出している。そのため、1学年235人の中から半分以上は東大か医学部に行くと考えてもらって良いだろう。ちなみに、24年度入試でも医学部合格者128名の記録をたたき出している。
女子校には珍しい圧倒的な理系比率
本校がこれだけの実績を残せる秘密は2つあると筆者はみている。
まず1つ目に、圧倒的な理系比率だ。
一般的に文系志望者が多い傾向にある女子校だが、本校は理系比率は7割に迫り、男子の進学校並みの高さを誇る。
中学受験の女子トップ層が集まる学校ならではの特徴だが、学校側もそんな生徒の希望に合わせて設備を整えている。
24年に創立100周年を迎えた本校は、このタイミングで新校舎を建設したのだが、そのワンフロアは「理系の桜蔭」らしいサイエンス空間となっている。
化学と物理の実験室が計3カ所、理科講義室も設けられている。
クラブ活動でも数学、物理、化学、生物、そして天文気象と理数系が盛んな本校は、学校の取り組みも相まって理系志向の生徒が実績を伸ばすのだろう。
受験のゼネラリスト志向
そして2点目が、桜蔭の校風から来る受験のゼネラリスト志向だ。真面目に勉強に取り組む生徒が多い本校は、得意教科、苦手教科の波が少ない「万能型」の生徒が多い印象だ。
医学部志向の高まる中で難易度の上がる国立医学部受験、時には悪問とも取れる問題が出題される私立医学部受験においては、難問や悪問でつまずいても、他の科目でカバーできるだけのバランスの良い学力が要求される。
その点で、本校生徒は例え1科目躓いても受かるだけの、ゼネラリスト的な学力を持っているのだろう。
東大から歩いて15分、東京科学大医学部から歩いて10分の本校は、卒業後もほとんど生活圏を変えずそのままエリート街道を歩んでいくことだろう。