偏差値40台で上智大も!「偏差値58未満」であれば推薦入試を検討すべし

「入試」と聞くと、一般的にイメージしがちなのは“一般入試”かもしれない。だが受験ジャーナリストの杉浦由美子氏によると、実は日本の入試の6割は推薦入試なのだという。そんな中で杉浦氏は、「一般入試か推薦入試かは、偏差値58~60できれいにわかれる」と話す。推薦入試の中で多数派を占める指定校推薦について、杉浦氏が解説する。全3回中の3回目。
※本稿は杉浦由美子著「大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法」(青春出版社)から抜粋・再構成したものです。
第1回:「推薦入試の面接は陽キャが有利」は嘘!“面接なしの推薦”でも早稲田・慶應に行ける道がある
第2回:“おだやかな面接”と“厳しい面接”をわけるのは「志望理由書」……AIが書いてもプロが書いても一目でバレる
目次
日本で「指定校推薦」が多い理由
大学の推薦入試のメインは実は指定校推薦です。
大学入学者の6割が推薦入試になってきて、総合型選抜や公募制も増えてはきていますが総合型選抜や公募制の何倍もの学生たちが指定校推薦で大学に進学していきます。この流れは今後もしばらくは続くでしょう。
その理由は、総合型選抜や公募制は手間や時間がかかるから、そうそう枠を増やせないのです。書類審査をして、小論文や面接をするとなると相当な手間がかかりますよね。
アメリカではなぜ総合型選抜が中心かというと、アメリカの大学の場合、入試専門の部署に、入試専門職員がおり選抜を行います。
つまり、入試業務は専門スタッフが行うから、教授たちは負担が少ないのです。
ところが、日本の大学の場合、入試は大学教授たちの仕事です。最近では優秀な職員を入試課に配置していて彼らが入試業務を担っていますが、それでも教授陣の負担はありますし、大学によっては今でも教授たちが入試業務全般を行っているところもあります。
大学教授というと優雅な仕事だと思われる方もいらっしゃいますが、実際はかなりの激務です。授業の準備、授業、卒論の指導、学生のケア、宣伝活動、事務仕事、それに加えて研究もしなくてはなりません。
その忙しい教授たちにとって、もっとも負担が大きい仕事が入試業務です。
まず、一般選抜の入試問題を作るのが大変です。私立大学は学科やコースごとに分けて入試をするところも多く、その分、違う問題を作る必要があるので相当な作業量となります。
一方、指定校推薦は、高校が実質の選抜をしますから大学の負担は少ないです。 指定校推薦も志望理由書や学力テスト、小論文、面接などを課しますが、基本、不合格にはしません。