1日1問の「超難問」で中学受験は勝てる!算数オリンピックのメダリストに共通する「2つの力」

世界でもっとも優秀な高校生たちが鎬を削る「国際数学オリンピック」。毎年、各国から集まった天才たちがメダルを目指して競い合う。
この数学オリンピックに対して「日本独自の小学生版」として作られたのが「算数オリンピック」だ。算数オリンピック大会顧問を務め、「みんなの算数オンライン」主宰として中学受験の個別指導も行っている竹内洋人氏が語る。
「算数オリンピックは、国際数学オリンピックの登竜門的な位置づけの大会です。毎年約5000人が参加し、ファイナリストやメダリストの多くは、中学受験でトップ校に楽々と合格していきます。チャレンジして歯が立たなかったという子でも、御三家に受かる子が普通にいます。算数オリンピックで活躍した子の中には、中学・高校で国際数学オリンピックや国際物理オリンピックなどで活躍する子も多いですね」
算数オリンピックを通じて身に付く考え方や思考法は、中学受験にも役立つと竹内氏はいう。天才たちが競う算数オリンピックと学習法に迫る。全3回の第3回。
目次
パズル感覚で自信重ね、「なるほど」を楽しむ
よく「算数オリンピックは難しそう」「チャレンジできるのは天才だけ」と思われがちです。しかし、問題をご覧いただくと、手も足もでない超難問ではないことがわかるはずです。
算数オリンピックの楽しみ方は、決勝大会を目指すだけではありません。
出題者としては、大人でも「こんな考え方をすれば一発で解ける」と感激できる問題を優先的に選定しています。解く過程で発見があり、解けた後に「なるほど」と感じる、そこから算数が好きになってくれる問題を中心に出題しています。
こうした問題をパズル感覚で楽しみながら解いてみて、算数の基礎力を鍛えたり、「算数オリンピックの問題が解けた」という自信を積み重ねていくことにも、大きな価値があるはずです。
算数オリンピックの問題にチャレンジするという経験自体が、「算数って面白い」と思うきっかけになり、それだけで受験を「楽にこなせる」ようになります。この「面白さ」の発見こそが、算数力向上の最大の原動力なのです。
問題はどれも条件や前提が少ないシンプルな設計になっています。解くために必要なハードルは1~2個程度に抑えているため、「頭の中で記憶できるような問題」になっています。
「電車の中でもあの問題ってどうやるんだろう」と考え続けられるような問題が思考力を鍛えます。一日一問でも「解けない問題に出会い、それを一週間かけてでも克服していく」経験が、真の算数力を育みます。「解けないことを楽しむ」姿勢が、中学受験でも冷静に考える力につながります。