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「多浪を防ぐには親の影響もある」著名教育インフルエンサーが教える「やってはいけない子への投げかけ」

(c) AdobeStock

「わが子が名門私立中高に合格した。これで大学受験もひと安心だ」

 過熱する中学受験を勝ち抜いた家庭の多くは、そう安堵しているかもしれない

 しかし、トップ校に合格したにも関わらず、受験に失敗する子、多浪に陥る子、無名大学に進学する子は一定数存在する。

「大学受験は単純な学力だけの勝負ではありません。模試や成績では目に見えにくい要素が、実は合否を分けているんです」。そう語るのは、9浪して早稲田合格を掴み、教育系インフルエンサーとして注目を集める濱井正吾氏だ。

 受験における「失敗の共通点」とは何か、親としてはどう対策をとるべきか、全3回にわたって掘り下げていく。連載全3回の第3回。

目次

偏差値だけでは見えない合格への道筋

 前回は中高一貫校でも起こりうる失敗パターンについて見てきました。では、こうした失敗を避けるために、親は何をすべきなのでしょうか。

 まず行うべきは、模試の偏差値という表面的な数字に惑わされず、子どもの学力と志望校との「差」を具体的に把握することです。

 大学受験では、難関大学になるほどこうした大学ごとの特徴が顕著になり、レベルも高くなっていきます。「偏差値が同じ=求められる能力も同じ」ではありません。

 私が受験した同志社大学と早稲田大学を例に説明します。同志社大学の英語は試験時間100分で大問が3つ出題されます。長文読解2問と会話文が1問という構成です。それぞれの大問におおよそ40分、40分、20分という時間をかけられる計算です。

 国語は試験時間75分で4000字以上の超長文を含む2題という構成でした。同志社大学は比較的時間的な余裕があり、英語も国語も時間をかけてじっくり考えて解答を導き出す必要がありました。

 一方、私が受験した早稲田大学教育学部の場合、英語では速読力が求められました。私が受験した2018年は試験時間90分で大問5つが出題されました。英文は合計2600語にものぼり、1つの大問に18分しかかけられません。

 同志社のような「じっくり考える」タイプの問題が得意な生徒が、早稲田の「高速処理」が求められる入試を受けても、実力を発揮できない可能性があります。

 ちなみに早稲田大学教育学部の英語は、2025年には大問数は3つとなりました。大問の数は減ったものの、英文は合計3500語以上に増えており、読解速度をより高度なレベルで求められるようになっています。

 私は早稲田の赤本を徹底的に分析し、単に「どんな問題が出るか」だけではなく、「時間の使い方」「大問あたりの合否ライン」まで深く勉強しました。赤本の解説も読み込み「なぜその答えになるのか」を説明できるレベルまで理解を深めたことで、偏差値以上の結果をだすことができました。

 他の受験生と同じ学習法をやっても、合格できなかったかもしれません。大学受験は大学が独自に作った問題をいかに攻略するかが重要です。

 学校の定期テストをコツコツ丁寧に取り組むこともとても大事ですが、それは難関大学の出題にはあまりつながりません。そこを積み上げるだけでは、合格は難しいでしょう。情報で不利な地方の子ほど、早めに赤本を確認し「志望大学の出題レベルと高校の授業の差」を認識しておきましょう。

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この記事の著者
濱井正吾

教育ジャーナリスト。兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学。卒業後は会社員と並行して受験勉強に取り組み、受験費用300万円を貯める。退職後は受験勉強に専念し、合計9浪後に早稲田大学に合格し、教育学部国語国文学科に入学する。早大卒業後は教育ジャーナリストとして活動している。

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