「早稲田VS慶應どっち?」財界・会計士は慶應、官僚・マスコミは早稲田!

「早稲田と慶應、両方受かったらどちらに行く?」
この問いに対する答えは、長らく決まっていた。慶應義塾大学である。慶應がSFCを開設した1990年代から30年余り慶應優位の時代が続き、受験生・保護者・学校・受験業界から早稲田は格下と位置づけられてきた。
ところが2025年、この常識を覆す歴史的な出来事が起きた。両校に合格した受験生に対する調査で、進学先として早稲田が慶應の上位に立ったのだ。
「これは単なる一時的な人気の浮き沈みではありません。背景には早稲田の大胆な入試改革があります」
そう語るのは、東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二氏だ。戦前から続くライバル校「早稲田と慶應」、その人気の最新事情に迫る。連載全3回の第3回。
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資格試験では慶應が圧倒的優位
早稲田と慶應のダブル合格で早稲田優位の時代が到来しましたが、進路別に見ると両大学には明確な強みの違いがあります。司法試験合格者数では慶應が10年連続で早稲田を上回り、2024年には全国1位を獲得しました。
また、資格面で特に顕著なのが公認会計士試験での慶應の強さです。なんと50年連続で合格者数日本一を維持しており、早稲田は50年間で慶應と同数1位が2度ありますが、あとの48回はすべて2位という状況が続いています。これは偶然ではありません。慶應は公認会計士を取らせるために専門のカリキュラムを整備し、授業で受験対策を実施したり、勉強会を開催したりと組織的な支援体制を構築しています。相当なプライドと覚悟を持って公認会計士養成に取り組んでいるのです。