中学受験生の親が絶対に避けるべき“残念なマネジメント”を元SAPIX講師が激白「子どもの勉強時間が台無しに…」

近年、首都圏を中心に過熱する一方の中学受験。我が子にとって最良の選択をしたいと願う親にとって、悩みは尽きない。併願戦略はどのような組み合わせが最適なのか。どの塾を選択すべきなのか。成績が伸び悩んだときはどう対応すべきなのか。そもそも中学受験は「地頭ゲーム」に過ぎないのか。
そんな数々の疑問を解決するべく、SAPIXなどの大手中学受験塾で教鞭をとり、灘特進クラスの算数講師なども歴任したオレンジ先生氏に、学歴活動家のじゅそうけん氏が話を聞いた。受験の現場を知り尽くした2人が、中学受験戦略のすべてを本音で語り尽くす。短期連載全4回の第2回。(取材日:8月22日)
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個別指導の「課金効果」を120%引き出す魔法の活用術
――個別指導の使い方も重要になってきそうですね。
個別指導の使い方は、まさにその分岐点です。たとえば、SAPIXに通いながら個別指導を受ける場合、二つの選択肢があります。一つは、SAPIXの授業のフォローアップ、つまり宿題で分からないところを質問したり、復習を手伝ってもらったりする使い方です。これは「定着」の時間を充実させる投資なので、非常に効果的です。
しかし、もう一方で、「復習は家でやるので、もっと難しい別の問題集を扱ってください」とリクエストされるケースもあります。たとえば、四谷大塚の『最難関問題集』のようなものです。これは、SAPIXの授業とは別に、さらに新しいインプットを増やすことになります。結果として、インプットと定着のバランスが崩れてしまう。
子どもの学びを台無しにする“インプット中毒”の恐怖
親御さんには「やめておいたほうがいいのでは」とお伝えするのですが、「ネットで見たので」と、なかなかご理解いただけないこともあります。
――大学受験でも、たくさんの参考書に手を出すだけで一冊も極められない受験生がいますが、それと構造は同じですね。
まさにそうかもしれません。複数の習い事をするにしても、それらが連携し、一つの目標に向かって相乗効果を生むような形が理想ですね。インプットばかりを増やして、消化不良を起こしてしまうのがもっとも避けるべきパターンです。