「SAPIXの中央値はMARCH」は本当なのか…受験専門家が真相を激白 “MARCH=残念な結果”は「歪んだ価値観だ」

わが子の教育にかけた費用は、本当に「元」が取れるのか――。これまで教育の世界では「品がない」とタブー視されてきた「コスパ」という視点から、今注目の2人が対談。学歴活動家として独自のポジションを築くじゅそうけん氏と、保護者目線で業界の闇に切り込む教育投資ジャーナリストの戦記氏が、中学受験のリアルを徹底的に語り合った。
中学受験にかかる衝撃的な費用の実態から、中学受験からの「賢い撤退」戦略まで、綺麗事なしの本音トークは中学受験を検討するすべての保護者にとって必見だ。短期連載全10回の第8回。(対談日:10月3日)
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目次
“ガリ勉エリート”が企業で活躍できないワケ
じゅそうけん: 僕も、勉強一本槍はお勧めしません。中高時代に、部活動にも入らずにガリ勉だけしているようなタイプは、典型的な「予後不良」のもとです。極端な話、ガリ勉して東大に行くよりも、部活や学校行事に打ち込みながらバランス良く勉強して早慶に行った学生のほうが、社会に出てからの「予後」は良いケースが多いと思います。
戦記: サラリーマンという生き方は、まさにそういうバランス能力が求められるものですからね。
トップ企業の内定を独占する学生が持つ「三種の神器」
――戦記さんは総合商社、CFOと、まさにハイキャリアを歩んでこられましたが、ご自身の周りにいた優秀な方々には、学生時代にどのような経験をしてきた人が多かったですか?
戦記: やはり強いなと感じたのは、アメフトやラグビーといった、フィジカルとチームワークが同時に求められるスポーツを経験してきた人たちですね。彼らはコミュニケーション能力が高いだけでなく、単純に体が頑丈。深夜2時、3時まで働いても倒れないし、お酒を飲んでも平気。そのタフさが、厳しいビジネスの世界で生き抜く力になっている。
じゅそうけん: 就職活動で有利になる「三種の神器」として、私は「留学経験」「体育会経験」「ビジネス経験(長期インターンや起業)」を挙げています。
戦記: まさにその通りですね。
一流企業の人事が就活で見ている“本当の評価軸”
じゅそうけん: 私がいたメガバンクや、友人がいるトップクラスの総合商社で内定を得ていた学生は、ほぼ例外なく、この3つのうち少なくとも1つは持っていました。そして、2つ以上持っていると、さらに内定の確率は高まります。なぜなら、書類選考を通過した後の面接で、語れる「ネタ」の強さが全く違うからです。
戦記: 「なぜ、我々があなたを採用すべきなのか」という問いに対して、説得力のあるストーリーを語れる人間が、最終的に勝つんですよね。
トップ公立高校出身者の予後が「驚異的に安定」している理由
――じゅそうけんさんにお伺いしたいのですが、高校受験ルートで進んだ場合、最も「予後」が良くなるのは、どのようなパターンでしょうか。