「残り100日・・・」中学受験のプロが教える最後の追い込みで「偏差値5」の逆転を可能にする方法

秋も深まり、受験本番がすぐそこに迫ってきた。気づけば、入試まで100日を切っている。入試までの残り3か月は、ただ目の前のことに取り組むだけでは合格に手は届かない。
限られた時間の中で、何を優先し、何を切り捨てるか。その選択が、わが子の合否を左右する。
「R80偏差値で5程度の差なら、十分に逆転は可能です。直前期こそ、正しい努力を冷静に積み重ねることが重要です」
そう語るのは、個別指導塾Growy代表のユウシン氏である。どうすれば、残り少ない期間で学力を積み上げられるのか。第一志望合格に向けて、今から親ができることは何か。
受験本番で力を出し切るための戦略を紹介する。連載全3回の第1回。
目次
緊張と不安の入り混じる「残り3カ月」
11月以降になると、塾でも家庭でも本番に向けた準備が一気に加速します。塾では冬期講習、直前講習などが行われ、受験生は年末年始をまたいで本番まで塾通いが続きます。
この時期は年間でもっとも学習量が多くなる、まさに“最後の追い込み”の期間です。
親御さんは受験校へのアクセスを調べたり、ホテルの予約をしたり、願書を出したりといった事務作業が増え始めます。
年が明けるとインフルエンザなどの感染症予防の観点から、1月初頭から学校を休む家庭が多くなります。日々の学習では、家庭で過去問を解きながら一喜一憂し、緊張と不安の入り混じった3カ月が続きます。
最後は「学力」ではなく「得点力」
残り3カ月で何をすべきか。それは「得点力」の向上です。合否を決めるのは、模試の順位や偏差値ではありません。受験本番で合格最低点を取る力が備わっているか否かです。
得点力をあげるために、まず注目して欲しいのが「持っている実力を確実に出しきる力」です。皆さんのお子さんは、メンタルや体調によって解けるはずの問題を落としたり、ちょっとしたミスで減点されてしまったりすることはありませんか?
これからの時期は学力そのものを伸ばすよりも、持っている学力を100%発揮し切ることのほうが大事です。問題文の見落とし、意味の取り違え、計算ミスなど失点を可能な限り減らせるように意識してください。