【統一教会問題】韓国発祥「反日」組織がどう日本に浸透し、なぜ日本人から容赦なく金を集めるのか

「安倍晋三とつながっている」旧統一教会とは何なのか
参議院議員選挙終盤の7月8日、奈良県で遊説中だった元首相・安倍晋三が、同県在住の無職・山上徹也という男に、手製の銃で撃たれて殺害された。
事件の全容はまだ到底明らかになっているとは言えない状況だが、山上は警察の取り調べに対し、母親が新宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧称「統一教会」)の信者であり、多額の寄付により破産したなどのことから教団に恨みを持ち、「旧統一教会と安倍がつながっていると思ったから狙った」といったことを話しているという。
無論、この山上の証言を、現状でどこまで信用していいのかは分からない。ただ、旧統一教会とは悪質な霊感商法や、信者から多額の献金などを取ることで悪名の高い団体だ。また旧統一教会は、そうでありながら保守系の国会議員などとさまざまなパイプでつながっている団体で、特に安倍はこれまで教団関係の行事に祝辞を送るなど、親密と思われても仕方のない行動をとってきた代表的な政治家の一人であった。もちろん、それで殺されていいわけでは絶対にないが、日本社会が今あらためて、この旧統一教会という宗教団体とは何かを考える意味はあるだろう。
「統一教会は同志」。学園闘争の現場では右派団体として共闘
旧統一教会は1954年、韓国で設立された団体で、日本にある宗教法人は、いわば支部である。韓国と日本の関係を、聖書におけるアダムとイブになぞらえ、日本は「アダム国家」である韓国に奉仕する務めを負った「エバ国家」だと教義上見なしており、日本人信者から莫大なカネを搾り取ることに容赦がない(旧統一教会は韓国のほかアメリカなどにも拠点があるが、日本以外で信者の金銭被害はあまり報告されていない)。また、教団内では天皇を侮辱するような行為が儀式として行われてきた、なる情報まであり、どう考えてもその性格は反日的である。
しかし、なぜそんな旧統一教会が日本に一定の根を張り、しかも保守派との友好関係を構築し、今に至っているのだろうか。