新紙幣発行で「預金封鎖」の噂が広まる…ガクガク震えている税金無申告”タンス預金民”に下される鉄槌

キャッシュレス化が加速する中においても、手元に多くのお金を置いている人は多いだろう。クレジットカードやコード決済が使用できない「現金のみ」の店舗が存在することに加え、老後生活に向けてコツコツと貯める人や “節税” にいそしむ人、少しでも子供に遺(のこ)したいと願う親たちは「タンス預金」でも蓄える。だが、現金のまま自宅などに保管し続けるのは要注意と言える。強盗や空き巣の被害に遭う恐れがある上、2024年からは積み上がったヘソクリも “見える化” されることになるからだ。経済アナリストの佐藤健太氏は「来年の新紙幣発行を機に『タンス預金』はあぶり出される。いよいよ国は、資産と所得の全容把握に乗り出すことになる」と警告する。
日本に眠るタンス預金100兆円
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大で、日本のキャッシュレス化は加速した。経済産業省によると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%で、2012年(15.1%)から2倍以上に増加している。決済額は約111兆円に達しており、現金を財布にほとんど入れないまま外出する人も珍しくない時代に入った。
では「現金」はどこにいったのか。日本銀行が公表する資金循環統計を見ると、家計における資産を分析することができる。2021年末のデータで「現金・預金」は1091兆6991億円で、「普通預金」などの流動性預金は約585兆円、「定期預金」などの定期性預金は約392兆円。自宅などで保管されている「現金」は107兆2394億円だ。
個人(家計部門)が保管する「タンス預金」は2020年末時点で初めて100兆円を突破し、2022年末には109兆7227億円に達した。2013年から日銀の超低金利政策が続き、金融機関に預けても利息分が極めて小さい現状を考えれば、手元に置いておきたくなる気持ちは理解できる。金融機関が経営破綻した場合の保護上限が1000万円であることも不安に映るだろう。