想像を絶する破綻予備軍数…歴史的株高の裏で迫る金融倒産連鎖「海外アクティビストが狙う最強日本株10」

本稿で紹介している銘柄:サンテック(1960)、ユタカフーズ(2806)、大平洋金属(5541)、新コスモス電機(6824)、日本精線(5659)、日阪製作所(6247)、IJTT(7315)、紙パルプ商事(8032)、椿本興業(8052)、カナデン(8081)
プレミアム特集「今日から1年で億り人になる」第2回目は名物投資家・木戸次郎氏が日本株を狙う海外アクティビストの動向をレポートする。日経平均が3万2000円を突破する数か月前には欧米で金融機関の連鎖倒産不安が起きていた。今われわれは資産をどこに持てばいいのかーー。
目次
銀行からの預金流出を終息させたい米当局だが、現実は厳しい
さて、東京市場は日経平均で32000円を突破した。つい先日まで世間を騒がせていた銀行など金融機関の連鎖倒産不安も今では話題にすら上がらなくなった。果たして連鎖倒産の危機は完全に回避できたのであろうか?
シリコンバレーバンクのケースでは米国政府の迅速で異例な救済策により、取り付け騒ぎは回避され、金融危機はいったん落ち着いたようにも見えた。しかし、これに続いてスイス第2位クレディスイスが経営破綻し、再び金融システム不安が懸念されたものの、この際もスイス政府が迅速に動き、スイス金融最大手UBSが同国2位のクレディ・スイス・グループを救済合併するという力業でこちらも金融不安を回避できたことで多くの投資家の中では既に過去の話とされているようだ。
イエレン米財務長官が米国の預金保護について「必要ならさらなる措置を講じる用意がある」と述べたことも安心感となり、銀行からの預金流出を終息させたい米当局の強い意思がうかがえる。しかし、現在では米国債で3~5%の金利を得られるので、1%に満たない銀行金利では預金流出を止めるのは難しいといわざるを得ない。