スゴ腕億トレーダーが今、「新興国を選ぶ理由」…12月、外国人投資家が動き出す”狙いは割安感強いあの市場”

「増税メガネ」がSNS上でトレンドワード入りし、政権支持率も低下するなど、国民の政治に対する不信感が募っている。ただその一方で、元証券会社本部長で現在は米国IT企業の代表を務める億トレーダーのABC Trader氏は、「政治は評価できないが、それでも日本経済は上昇していく」と話す。複雑な相場環境にあるからこそ認識しておくべき “政治と経済のいま”についてABC Trader氏にうかがった。
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政策は駄目でも、ラッキー尽くしの岸田政権
来年の日本の経済状況は、かなり良いと思っています。ただ私は、現政権についてはまったく評価していません。岸田文雄首相は定額減税を表明しましたが、過去に定額減税を行った橋本龍太郎政権では、その後減税の恒久化をめぐり支持率が低下し、自民党は選挙で大敗。政権も退陣に追い込まれました。
現政権の出す政策は、何もかもが中途半端であると感じています。岸田首相のように財務省にべったりな政権は、宮澤喜一政権しかり、いつも官僚のいうがままに人気のない政策を展開し、退陣していきます。現在の政権支持率は30%台を切り過去最低となっていますが、20%台前半まで落ち込めば、『岸田降ろし』が起こっても不思議ではありません。
ただ岸田さんにとってラッキーなことが二つあります。一つは、ライバルとなる首相候補がいないこと。世論調査では、「次の首相にふさわしい人」のトップが石破茂さんだそうです。もはや永田町では「過去の人」である石破さんがトップであるという時点で、リーダー不足が浮き彫りとなっています。