仮想通貨市場が1年で1/4に…破綻のFTX、日本法人の資産返還は「未定」に悲鳴「今回ほど完全な失敗は見たことない」

ギィヤァァァァァァ!! 仮想通貨市場が1年で1/4に…
投資対象として注目を集めてきた暗号資産(仮想通貨)に「冬の時代」が到来している。1年前の最高値がウソのように下降トレンドへ入り、米国の景気後退懸念などを背景にピーク時の半値以下まで暴落。経営破綻した交換業大手FTXトレーディングをめぐる資産管理への不安も加わり、悲観ムードが漂う。国境や時間を問わない「世界共通の決済通貨」の不安定化に各国の規制当局は目を光らせており、投資家の不安は増すばかりだ。
投資や決済手段として注目されてきた仮想通貨は、円やドルなどの法定通貨と異なり、インターネット上でやり取りされる電子データだ。交換業者を通じて購入したり、売却したりすることができ、値動きの激しさから大きな利益を狙いやすいとされてきた。
取引にはレバレッジ取引やレンディング、エアドロップなどがあるが、一般的には保有する仮想通貨が値上がりした時に売る現物取引が基本となる。ただ、昨年末から仮想通貨業界は逆風にさらされ、1BTC=700万円を超えていたビットコインは約1年で250万円を下回った。長期的には楽観論もあるものの、足元は全体的に下降トレンドにある。仮想通貨も米国の景気後退や利上げなどの影響を受けないわけではないのだ。
そこにFTXトレーディングの経営破綻が追い打ちをかける。投資家は資産管理に不安を抱き、他の交換所でも資産引き出しの動きが活発化。仮想通貨の価値は下落し、市場は1年前と比べて4分の1程度にまで縮小した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、仮想通貨レンディングの「ブロックファイ」が破産法の適用申請に向けた準備を進め、ジェネシス・グローバル・キャピタルはレンディング部門の顧客の解約を停止したと報じるなど、その余波は小さくない。
出金サービス停止のFTXジャパン…「返還再開は未定」に悲鳴
負債総額は最大7兆円、債権者は100万人を超える可能性があるというFTXトレーディング破綻は、日本も無縁ではない。FTXは日本法人を含む約130のグループ会社に関して日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を米裁判所に申請し、11月11日の経営破綻にいたった。各国の関係法人は引き出しを停止したと報じられ、顧客資産の保全が危ぶまれる事態となった。