システムトレード4カ月で資産4倍、「狩りスキャ」狙う凄腕短期トレーダーが「心理戦」に注目するワケ

100万円の元手が数千万円に。しかし、執着した1つの銘柄で3000万円を失うー。そんな急騰・急落を経験しながらも堅実に資金を増やし、短期売買の強者となった村居孝美(@takayoshi_murai)さん。
村居さんの投資戦略で驚かされるのは、システムトレードを駆使しながら緻密な分析を重ねる「相場を見る力」だ。激動の市場においても「予想」ではなく、「心理」をつかむことに重きを置く。
短期トレーダーとして資産を増やす村居さんは、市場の何に注目しているのか。インタビュー全3回の第2回。今回は、村居さんに“変化する相場で生き残る秘訣”を聞く。
目次
暴落によるショートで資産が爆増
ーー現在、メインで取引している金融商品を教えてください。
裁量トレードではFXがメインです。一方で、システムトレードは「日経225先物」と「FX」の両方でやっています。
ーー個別銘柄ではなく指数(日経平均)を取引するようになった理由を教えてください。
以前は、日経225の個別銘柄も売買していました。ところが、結局勝てる銘柄もあれば負ける銘柄もあるわけで、それなら最初から指数を売買した方が効率的だなと思ったのです。
日経平均を構成する主要銘柄は大体決まっていますし、その動きに連動して指数も動くので「だったら指数でいいや」となりました。何よりもシステムトレードは、個別株よりも指数先物の方が検証の効率もいいですし、分析もしやすいです。暴落によるショートに成功し、資産を数ヵ月で4倍近くまで増やしました。
ーー次に裁量取引で、得意としている手法を教えてください。
損切り注文が集中している場所を狙って、わざと価格をそこまで動かすストップ狩り後の反転を狙って、瞬時に値幅を取るスキャルピング手法、いわゆる「狩りスキャ」と呼ばれるものです。もともとは株でブレイクアウト手法をメインにしていたのですが、FXでは“ダマシ”にあうことが多く、その動きを観察していく中で、「ここで反転するな」と感じたところから生まれたものです。つまり、ブレイクアウトに失敗したポイントを逆に狙えば良いと気付いたのです。
私は米国の有名な投資家に会いに行って手法を聞きに行ったことがあるのですが、彼らは「自分たちがチャートの形を作っている」と言っていました。大口のヘッジファンドにとって都合のいい形、ストップ狩りなどを意図的に作っているという見方です。私はその話を聞いて、ストップ狩りという現象の意味や、そこに個人投資家がどう巻き込まれているかを理解しました。それ以降は、チャートを見るときに“形”そのものではなく、その裏の「売り手と買い手の心理」であるテクニカルの背景を見るようになりました。