「暴落はバーゲンセール」優待株・高配当投資家が実践する買い増しマイルール

本稿で紹介している個別銘柄:JT(2914)
トランプ関税や為替変動で株価が乱高下し、市場の先行きが読めず投資をためらう人も多いかもしれない。
そんな中、「暴落時でもワクワクしながら買い増しています」と語るのは、優待株と高配当株をメインに投資する「まーくん@株主優待」(@maakun1988)氏だ。
複雑な経済環境下で、どのように冷静な判断を貫き、投資を楽しみながら資産を増やしているのか。連載 「暴落にも動じない。強メンタル投資家のメソッド」 第1回は、まーくん氏に投資の遍歴と独自のマイルールについて話を伺った。全3回インタビュー、1回目。
(2025年6月2日取材)
目次
仮想通貨→QOL爆下がり→バリュー株投資家に
ーーまず、まーくんさんの投資遍歴をお聞かせください。
私が投資を始めたのは2017年のこと。今でこそ株主優待・高配当銘柄をメインで運用している私ですが、実は最初に投資したのは仮想通貨でした。
新卒で入社した22歳の頃、質素倹約を徹底し、節約と副業で資金を貯めることに注力していました。
メルカリや副業を組み合わせて、27〜28歳の時に預金1000万円を達成。FP2級の資格を持っていたこともあり、資産運用に強い興味があったものの、当時の預金金利は0.3%程度と低く、1000万円を預けても年間3万円しか増えない現実に物足りなさを感じていました。
過去には郵便局で5%の金利がつき、10年で資産が倍になる時代もあったと聞き、「もっと効率的にお金を増やしたい」と考えるようになったのが投資の第一歩でした。
最初に飛びついたのは、世間で話題になり始めたビットコインでした。2017年は仮想通貨バブルが過熱し、ネット掲示板や2ちゃんねるで「ビットコインで資産が10倍になった」といった投稿を目にして心が動きました。
ーー最初から仮想通貨だったのですね。
結構珍しいですよね(笑)。
1000万円を2000万円に増やす目標を掲げ、ビットコインやアルトコイン(リップルやネムなど)に投資するも、仮想通貨のボラティリティが今以上に高かったこともあり、驚きが隠せませんでした。
なので、暴落時には「価値がゼロになるのでは」と怖くなり、逆に価格が上がると「まだ上がる」と売れず、タイミングを逃すことが多かったです。
ーー株式と違い、仮想通貨市場は24時間取引可能ですから気が抜けないですよね。
仕事中や夜間も価格が気になり、スマートフォンを手放せない状態に。妻との会話が減り、仕事にも支障が出るほどトレードに没頭してしまい、生活のQOLが大きく低下しました。
この経験から、投資に振り回されるのは本末転倒だと気づき、2018〜2019年ごろに株式投資へシフトしたのです。