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AI関連リート、内需株・・・米国在住投資家が注目する「買いたいセクター」と「避けたい投資先」

(c) AdobeStock

本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ(7203)、エヌビディア(NVDA)、テスラ(TSLA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)

 

 2025年9月現在、FRBの9月利下げが濃厚視される中、7月の物価上昇率は2.9%に上昇。一方、8月の失業率は4.3%と予想され、物価下落の懸念も広がっている。

 これに対し、日本では日銀が利上げを計画中。長らく続いた「金利ゼロ」の時代が終わり、再び金利のある世界へ移行しつつある。

 この日米金利差の縮小は、株式市場にどんな影響を及ぼすのか。

 今回は、米国在住の投資家・ぶたまる氏(@Butamaru_Butako)にインタビュー。FRBと日銀の今後の政策スタンス、金利・為替の動向、そして「金利のある世界」でどう稼ぐべきかを伺う。

 みんかぶプレミアム特集「『金利のある世界』の稼ぎ方」第5回。

(2025年8月19日取材)

目次

「9月利下げ」濃厚、年内の米金利4.00〜4.25%へ

ーーFRBの今後のスタンスは?9月の利下げ確率と、金利動向の見通しを教えてください。

 FRBは、9月のFOMCで利下げに踏み切る可能性が高いと見られています。

 市場予想を示す「CME FedWatch Tool」では、9月に0.25%の利下げが行われるとの見方が強まっています。

 この背景には、7月の雇用統計の弱さがあります。新規雇用者数は7万3,000人増にとどまり、失業率は4.2%まで上昇しました。

 一方で、インフレ率は夏以降やや上昇しています。PCEコア(食品・エネルギー除く)が2.9%、ヘッドライン(全体指数)が2.6%となっており、FRBとしてはインフレ抑制の観点から大幅な利下げは難しい状況です。

 ただし、景気とのバランスを取る必要もあります。パウエル議長はこれまで慎重な姿勢を見せていましたが、最近は雇用が悪化したことから、利下げの可能性を示唆しており、市場では事実上の「GOサイン」と受け止められています。

 年内の金利は4〜4.25%まで低下するとの見通しです。投資の観点では、利下げ前に債券の魅力が高まりやすく、短期債を先に仕込み、その後の株価調整局面で優良株を拾う戦略が有効と考えられます。

トランプ関税でGDP低下し、インフレ加速

ーートランプ関税政策の実体経済へのインパクトを具体的にお聞かせください。

 関税政策はインフレを押し上げる一方で、景気停滞を招きやすく、スタグフレーションを引き起こす可能性があります。

 2025年の関税導入により、米GDP成長率が0.5ポイント低下し、コアインフレ率が1.9%上昇すると予想されています。

 特に、自動車や家電、電子機器、輸入品への影響が大きい見込みです。

 例えば、自動車関税15%の影響で日本車の販売は7月に駆け込み需要で増加しましたが、8月には減速しています。

 これにより消費が冷え込み、スタグフレーション圧力が高まる可能性があります。

 AppleのiPhoneも値上げが予想され、短期的な需要増の後、長期的には売上減につながる懸念があります。

 投資の観点では、インフレ期にはエネルギーなどのコモディティ株を選び、スタグフレーション懸念が強まる局面ではヘルスケアや生活必需品といった防御株へシフトする戦略が有効です。

 自分はオプションでヘッジをかけながら、VIX指数が急騰し、マージンコールが発生する購入タイミングを狙っています。

円高傾向で、140円前半もあり得る

ーードル円の動向はどうでしょうか。

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この記事の著者
ぶたまる

在米で長年にわたり市場を観察し、英字新聞から得た情報をもとに、米国の株価動向を分かりやすい図表で毎朝noteにて配信中。さらに、米国株の決算報告や投資関連の図解をXで公開しており、本業はマーケティング、デザイン、テクノロジー分野。(X:@Butamaru_Butako)

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