航空機リース、AIデータセンター、蓄電池…資産10億円超ベテラン投資家が伝授する「買いたい業種」「避けたい業種」

本稿で紹介している個別銘柄:SBIリーシングサービス(5834)、FPG(7148)、ジャパンインベストメントアドバイザー(7172)、ミライト・ワン(1417)、テクノ菱和(1965)、日本ドライケミカル(1909)、テスホールディングス(5074)
円安の進行やインフレ圧力が日本株市場を揺るがす中、多くの投資家が銘柄選びに頭を悩ませている。
では、米国株がよいかと言われれば、FRBの政策や財政リスク、地政学リスクなどがあって、不安定な点が目立つ。
そんな状況下で、注目すべきセクター・銘柄とは何なのか。今回は、投資歴25年以上で資産額10億円超のベテラン投資家・DAIBOUCHOU氏(@DAIBOUCHOU)にインタビューした。注目のセクターと避けたいセクター、具体的な銘柄、そして日本株と米国株のどちらに投資するべきかについて、現在の経済環境を踏まえて話を伺った。
インタビュー連載全2回の最終回。
目次
高成長が見込める3つのセクター
ーーDAIBOUCHOUさんが注目するセクターとその理由を教えてください。
まず、航空機リース関連に注目しています。この分野では、航空会社が飛行機を借りる需要が安定していて、投資利回りが高いのが魅力です。
特に、中小のオーナー企業が法人税の繰延べメリットを活用して投資を増やしている流れがあります。グローバルな航空需要が回復する中、PBR1倍を下回る割安な銘柄も多く、狙い目ですね。
次に、AIデータセンター関連です。ここでは、データセンター本体ではなく、周辺の電気工事、通信工事、変圧器やキュービクルなどの電気機器、空調機器を手がける企業に焦点を当てています。
AIのGPUが大量に熱を発する問題を解決するための空調需要が急増中です。半導体やクリーンルームの技術ノウハウを持つ企業にとっては、猛暑対策の法規制強化も大きな追い風になると考えています。
そして、蓄電池・蓄電所関連も重要です。これは国策として推進されており、再生可能エネルギーの不安定な発電を調整する役割が鍵になります。
そこで利益を大きく伸ばすのが、EPC(※)を担う企業。容量市場での収益化が可能で、不動産投資のような安定した収入が期待できます。
※設計・調達・建設
ーーセクター選定でほかに重視する点はありますか。
アクティビストの動向もウォッチしています。彼らの増配や改革要求が株価を押し上げるきっかけになり、結果としてセクター全体の再評価につながる可能性が高いですね。