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倒産件数は2万4千件を超えた“貧しい先進国”ニッポン 誰が自民党総裁になっても、消費税は下げられない絶望…日銀が利上げし、円安から円高に逆回転するタイミングは必ず来る

(c) AdobeStock

 インフレと円安が止まらない中、投資家たちが金融資産の増加を喜ぶ一方で、庶民の生活は日々苦しさを増している。株式評論家の木戸次郎氏は「日銀は利上げを先延ばししているが、いつか利上げをして円高に逆回転するタイミングは必ず来る」と警鐘を鳴らすーー。

 みんかぶプレミアム特集「株価最高値 日本株と米国株どっちが良い?」第5回。

目次

日銀が利上げを先延ばしすればするほど、国債の含み損は膨らみ、出口戦略の難易度は高まっていく 

 日本はどんどん貧乏になっている。数字の上ではGDPが膨らんでいるように見えても、それは円安による見かけの増加にすぎず、国際比較で見れば一人当たりGDPは先進国の中で後退を続け、生活実感もそれを裏打ちしている。

 旅行先のアジアでさえ購買力の差を痛感する日本人が増え、かつて外国人観光客が喜んだ「物価の安い国ニッポン」は、裏返せば「賃金の安い国」「貧しい国」への転落を意味する。だが政府も日銀も、国債を買い支え延命し、ETFを「100年かけて売却」などという茶番で体裁を取り繕うばかりで、子供たちの未来や持続可能な社会への視点を欠いた近視眼的な心地よさに酔っている。

 日銀が利上げを先延ばしすればするほど、国債の含み損は膨らみ、出口戦略の難易度は高まり、結局はより大きな痛みとなって跳ね返ってくるのは明らかだ。だからこそ今が最後のタイミングであるにもかかわらず、現実から目を背けているのが実情だ。しかも物価上昇率はすでに2.7%に達しているのに、なお「物価下落懸念」を利上げ先送りの理由に挙げるのは誰が見ても現実離れしており、これはもはや生活者の視点ではなく、日銀が抱える膨大な国債の含み損を直視したくないがための言い訳に過ぎない。

円安バブル崩壊の前兆はすでに随所に現れている

 その現実は、医療・介護・保育といった不可欠な分野に直撃している。これから迎える高齢化社会において、看護師、介護士、保育士といった定職者が生活苦を理由に現場を去り、国家資格だけが宙に浮く社会はすでに現実となりつつある。 国際化による労働力受け入れは不可避だが、即席の付け焼刃で代替できない領域は多い。使命感だけで支えてきた人材が抜け落ちた時、社会の基盤そのものが崩れる。

 円安と株高に酔いしれるだけの政策運営は、国家の持続可能性を犠牲にした砂上の楼閣に過ぎない。そして東京市場を見渡せば、誰もが口に出さないが、円安バブル崩壊の前兆はすでに随所に現れている。実質賃金の連続マイナス、消費の細り、企業倒産の急増、円安の副作用による生活必需品の高騰──それらはすべてバブルの終わりを告げるサインにほかならない。

 しかし市場関係者は「指数の高値更新」という表面的な数字に酔い、見て見ぬふりを続けている。その沈黙こそが、逆回転が始まった瞬間の衝撃をさらに大きくする要因となるだろう。

倒産件数は2万4千件を超えた“貧しい先進国”…誰が自民党総裁になっても、消費税は下げられない

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この記事の著者
木戸次郎

1965年生まれ。明治大学政治経済学部卒。 地場証券会社を経て投資顧問会社の代表取締役。その後、ベトナム国営バオベト証券バオベトジャパン理事、ベトナム国防省タイソングループ顧問、外資系ファンドの戦略アドバイザーを経て現在はTMI総合法律事務所顧問。著書にベストセラーとなった『修羅場のマネー哲学』(幻冬舎)『修羅場の鉄則』(幻冬舎)、『木戸次郎の大化け株』(宝島社)、『株はあと2年でやめなさい』(第二海援隊)、『常勝の株』(講談社)ほか多数。

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