「日経平均3万4000円へ」歴史的株高を的中させた謎の投資家”ABC Trader”が伝授!上がる銘柄を絞りだす4の手順「狙いは高ROE」

日系・外資系証券会社で要職を歴任し、現在は会社経営の傍ら株式やFX、不動産投資を行っているABC Trader氏。圧倒的知識と経験に裏打ちされたツイートでTwitterでのファンも多いABC Trader氏に、独立に至った経緯や経済のトレンドのつかみ方をうかがった。
バブル崩壊で独立へ
もともと私は証券マンでした。自分で投資をするというより、お客様に投資を勧める立場だったわけです。これまでの歩みを振り返ると、大学卒業後に日系の証券会社に就職し、ほどなくスイスに駐在することに。スイスでは現地の富裕層に対し、日本株を売っていました。
1990年代当時、日本ではまだ「投資の神様」バフェットの存在はよく知られていませんでしたが、スイスではすでに有名な存在でした。そこでバフェットの提唱するROE(自己資本利益率)重視の投資手法を知り、「こんな投資の仕方があるのか」と驚いたことをよく覚えています。
それから日本に戻り、外資系の証券会社に転職。ヘッジファンドに対し、日本株や株式に絡んだデリバティブ(金融派生商品)を販売していました。デリバティブを「時限爆弾」と評し、忌避するバフェットとはまったく異なる手法ですね。
そんな中、バブルが崩壊し、日経平均株価は年々下がっていきました。すると外資系の大手企業が続々と日本市場からの撤退を表明。私が勤務していた会社も撤退するということで、証券会社の未来も見通せなかったことから、独立を決めました。日経平均株価が6994円の最安値をつけた、ちょうどそのころの話です。
2005年から08年にかけていくつか投資用に不動産を取得していたこともあり、まずは比較的容易に資格が取れそうだと感じた宅建(宅地建物取引士)の資格を取り、不動産会社を設立。そうすると不動産関連の情報が入ってくるようになったので、不動産の仲介会社も立ち上げました。
そこからいろいろと投資や事業のアドバイスをするようになり、事業再編やIR(投資家向け広報)のアドバイスを行うコンサルティング会社も経営。現在はこの3社を経営する傍ら、株式やFX、不動産投資を行っています。
高ROE企業に注目が集まっている
一口に「株式」と言っても、割安なバリュー株と将来に期待できるグロース株にわかれます。と言っても私自身は、いまの日本株のほとんどはバリュー株だと捉えています。また、バリュー株も、1. 資産バリュー、2. 収益バリュー、3. 成長バリューにわかれます。