竹中平蔵「日本人は90歳まで働くことに」…株・投資8賢人の”マイルール・掟・株選定術”と日経平均5万円時代の正しい生き方

昨年は一時1ドル151円と円安が一気に進んだが、今年はアメリカで銀行破綻が相次いで起き、先が読めない日々が続いている。そんな中で、株・投資の賢人たちは今、何を考え、何に備えているのか。プレミアム特集「株投資完全ガイド」第2回は竹中平蔵氏、エミン・ユルマズ氏、井村俊哉氏、武者陵司氏、藤本茂氏、リウム氏、藤巻健史氏、長嶋修氏に聞いた――。
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竹中平蔵「額ではなく脳に汗をかけ」
まもなく春到来。投資家として「満開の春」を迎えるために必要なポイントは何か。「投資8賢人」に聞いた。
まずは2023年の市場動向だ。元ドイツ証券副会長・投資ストラテジストの武者陵司氏はこう述べる。
「2023年、世界の景気減退(後退)に反して、日本の成長率は加速する可能性があります。株式市場においてはアベノミクス景気で『失われた20年』はすでに終わっており、実体経済においても『失われた30年』が終わることは確実。IMFが発表した成長見通しでは日本が1.8と、アメリカ、EU圏を上回り、諸外国が金融引き締めに向かう中、日本の金融緩和路線は続く。さらにコロナ禍で落ち込んだ経済全体のリバウンドが起きるのです」
この30年が「失われた」のはデフレ経済の悪循環に陥ったからだが、これが転じてインフレとなれば、現金をそのまま預金で持っていてもその価値は下がるばかりだ。経済学者の竹中平蔵氏は言う。
「本来、経済の成熟とともに高まるはずの投資の重要性が、日本では理解されていません。さらにはこれからインフレの時代に入り、現金の価値が下がっていく。超高齢化社会で80歳、90歳まで働くことが求められるようになる中、本人のリスキリングはもちろん大事だが、額に汗するだけでなく、脳で汗をかいてお金を稼げるようにならなければならない。そのためには自分の収入における資本所得を上げていく必要がある」