叫び声虚しく、顔面神経裂傷、頭蓋骨貫通、即死、トラウマ…壮絶ヒグマ事件簿「全速力で襲われた7人の壮絶症状」

ツキノワグマに全速力で襲われたら人間はどうなるのか。クマによる農作物被害は年間5億にも上るというが、はたして人とクマは共生できるのか。作家の小倉健一氏がレポートするーー。
カナダでクマに襲われた7人の記録…平均して3回の手術、22日間入院
1994年から2005年の間に、カナダのアルバータ州カルガリーのフットヒルズ医療センターで、クマに襲われた傷を負った7人の患者が治療を受けた記録が残っている。クマによる襲撃の悲惨さがよくわかるので、紹介したい(カナダ形成外科ジャーナル『アルバータ州カルガリーで治療された熊による傷害事件:その管理と後遺症』2006年)。
その中で、7人の患者は裂傷や刺し傷から骨折や組織の剥離に至るまで、さまざまな負傷の治療を受けた。患者は平均して3回の手術を受け、22日間入院したという。傷の洗浄、抗生物質の静脈内投与などをしたが、2人の患者は傷口から入った感染症を防ぐことができなかった。さらに、7人中6人が急性ストレス障害を発症し、うち1人は心的外傷後ストレス障害に移行した。合併症は感染症から肺塞栓症まで多岐にわたったのだという。クマによる攻撃はさまざまな傷害をもたらす。感染症だけでなく、襲われた恐怖から発生する精神障害は一般的な後遺症だ。
クマに襲われた7人の末恐ろしい末路…顔面めちゃくちゃ、うつ病、睡眠障害も
7人の患者をそれぞれ、A、B、C、D、E、F、Gとする。