世界が失笑”岸田国連演説”「欧米人の猿真似」指摘…空気読めない首相に「後進国の仲間いりしつつある日本はどうでもいい」

国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、岸田首相による国連総会での演説を「本当にバランス感覚がない」とぶった切る。岸田首相が軽視し続けているグローバルサウスだが、本当に日本は今の対応を続けるべきなのか。渡瀬氏が解説するーー。
岸田の各連演説は「欧米人の猿真似」
岸田文雄首相が今回の国連総会で疎らな聴衆に向けてウクライナ支援継続や空想的な核軍縮の取り組みに対する資金供与を約束した。G7広島サミットにおいても、岸田政権のウクライナ傾斜(=欧米リベラル勢力追従)はあまりにも度が過ぎている。欧米でもここまでのコミットメントは見られない。ゼレンスキー大統領の独善的な態度に欧米諸国内でやや支援疲れの空気が蔓延する中で、その空気を全く読まない岸田外交の異質感は一層際立っている。本当にバランス感覚がない。
日本が西側先進国側の陣営であることを米国でアピールすることは、米国民主党関係者と欧州のリベラル勢力にとっては歓迎すべきことだ。ただし、彼らの腹の内は、日本がウクライナに対して軍事的支援を実際には行わないこともあり、極東アジアの中堅国家が欧米人の猿真似をしているようにしか見ていない。地政学的な観点、経済的な観点、そして相互防衛の観点から見ても、岸田政権が望むように欧州諸国が台湾有事の際に日本・台湾側に立って中国に敵対するようなことは決してあり得ない。
欧州諸国の要はドイツ・フランスである。
後進国の仲間いりしつつある日本などどうでもいい
ドイツは今年6月にドイツ初の国家安全保障戦略を発表したが、中国の脅威に触れつつも、台湾海峡については一言も触れなかった。ドイツは今年7月まで対中国戦略の発表を遅らせ続けてきたが、それは第7回独中政府間協議のための李強訪独に配慮したからだ。この協議ではディリスキリングはあくまで民間企業が行うものとし、両国の政治的融和が演出されたのだった。その後に発表された対中国戦略では、一部インド太平洋地域での軍事的プレゼンスの拡大が述べられたが腰が引けた内容だ。また、ドイツとポーランドは今年6月までドルジバパイプライン経由でロシアのエネルギーを輸入しており、6月以降も第三国のエネルギーをロシア経由で輸入している。他国にウクライナ支援を求める以前の問題だ。自国の利益に対しては、徹底した対応をしているのだ。