神宮外苑再開発派の正体…無視される「緑の割合は約25%から30%に、樹木の本数は1904本から1998本に増加」という不都合な真実
明治天皇と昭憲皇太后を御祭神として初詣で日本一の参拝者数を誇る明治神宮(東京都渋谷区)が、1920年の創建から100年が過ぎた今、揺れている。外苑の再開発をめぐり国連の関係機関が中止を要請し、これに宗教法人・明治神宮など事業者側が反論するバトルが繰り広げられているのだ。
ただ、再開発反対派には来年夏に予定される東京都知事選をにらんで小池百合子知事を巻き込もうとする勢力もあり、それぞれの思惑が複雑に交錯している。
経済アナリストの佐藤健太氏は「神宮外苑地区の都市計画が決定されたのは、猪瀬直樹都知事時代の2013年6月のこと。反対派の主張には誤解も見られており、民間事業者が正当な手続きを経て実施することを妨げていたら社会が成り立たなくなる」と指摘する。
明治神宮内苑・外苑は、かつてGHQによって接収された場所
明治神宮は豊かな森を有する内苑と、憩いの場として開かれた外苑に分かれる。1920年11月に創建された内苑は森厳荘重を維持する一方、1926年10月に創建された外苑は人の手による適切な維持・管理が実施されてきた。1945年にGHQ(連合国軍総司令部)によって敷地・施設が全面的に接収されたが、戦後の1952年に明治神宮に帰属し、1958年に国立競技場が竣工。1964年には東京五輪が開催された。