「ルッキズムそのもの」麻生副総裁が上川外相を「おばさん」「美しい方とは言わん」の大暴言…岸田の派閥解消は大失敗「麻生・茂木に権力集中」

自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、東京地検特捜部は派閥から高額キックバック(還流)を受けていた議員や会計責任者らを立件した。岸田文雄首相(自民党総裁)は「派閥解消」を掲げ、最近まで会長を務めていた「宏池会」(岸田派)の解散を表明。
震源地となった最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)や「志帥会」(二階派)なども追随した。だが、政界事情に通じる経済アナリストの佐藤健太氏は「自民党から『派閥』がなくなることはない。このままでは単なる『派閥再編』の始まりに過ぎないだろう」と指摘する――。
目次
「我々は変わらなければならない」6つの自民党派閥のうち4つが解散
「派閥ありきの自民党から完全に脱却する。派閥からお金と人事を切り離し、いわゆる『派閥』を解消し、真の政策集団になってもらう」
1月23日、岸田首相は自民党の政治刷新本部の会議終了後に、記者団に対してこう述べた。そして25日、岸田氏を本部長とする自民党の「政治刷新本部」は派閥の解消と党のガバナンス強化、政治資金の透明性確保などを盛り込んだ「中間とりまとめ」を決定。
首相は「国民の信頼回復と日本の民主主義を守るために、我々は変わらなければならない」と訴え、「中間とりまとめの内容を先頭に立って実行する努力を続けていきたい」と決意を語る。たしかに首相が1月18日に岸田派を解散する意向を表明し、安倍派や二階派も解散を確認。刑事告発されず、立件もされていない「近未来政治研究会」(森山派)も1月25日に解散を決め、自民党の6つの派閥のうち4つが姿を消すことになった。派閥ではないものの、谷垣禎一元総裁を慕うメンバーが集う「有隣会」(谷垣グループ)も政治団体の解散を決定している。
「派閥全廃」にまで踏み込めず、麻生派や茂木派が残ることになれば両派の力が増幅する
だが、今回の方針決定のみで信頼回復と再発防止につながると思っているのであれば疑問を持たざるを得ない。その理由は、まず「派閥解消」を声高に訴えたものの、麻生太郎副総裁が率いる「志公会」(麻生派)や茂木敏充幹事長が牽引する「平成研究会」(茂木派)を含めた「派閥全廃」にまで踏み込めなかったことだ。岸田派の解散表明後、首相に対しては麻生、茂木両氏から反発の声があがったとされているが、党のトップでありながら両氏に配慮して中途半端な結論に終わったことはリーダーシップの欠如を意味する。