「選挙5連敗中」「後期高齢者議員ばかり」…大失速、中身空っぽ、維新の会はもう無理だ
近年の大阪の停滞感を生んでいる原因は何なのか。経済的な諸々の事情とともに、大きな要因となっているのは政治への失望、府民の期待を集めた日本維新の会の国政の舞台での低迷ぶりだろう。「みんかぶプレミアム:特集『大阪沈没~名古屋に完敗、福岡に抜かれる』」第8回は、日本維新の会の現状と今後の見通しを政界事情に通じた小倉健一氏が伝える。
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「大阪の壁を破る」…維新が打ち出した地方議員600人目標の現実味
日本維新の会は、昨年の衆院選挙で41議席を獲得した。今夏の参院選では12議席を獲得し、比例代表での得票は立憲民主党を上回ったことから、野党第一党への意欲を隠していない。朝日新聞の世論調査(11月15日)では、「自民33、立憲5、維新5、公明4、共産4、国民2、れいわ1%」と立憲民主党に肩を並べていて、他報道機関による世論調査でも同様の結果が出ている。そんな選挙結果や世論を背景に、今、維新は「大阪の壁」を打ち破るべく、地方基盤の強化に乗り出そうとしている。党所属の地方議員約400人を統一地方選挙で600人に増やす目標を掲げたのだ。
維新の馬場伸幸代表は「8月に党の創立者の一人である松井一郎前代表(現・大阪市長)から代表を引き継いだ。まず目標にしているのは来年の統一地方選で党所属地方議員を600人にすることだ。『600』は適当な(考えなく決めた)数字ではない。去年の衆院選と今年の参院選の比例票を各都道府県と市区町村の議会の定数と突き合わせて割り出したものだ。参院選でホップした。来年の統一選でステップし、ジャンプは次期衆院選で野党第1党になる」(毎日新聞・10月7日)と語っている。維新は、今年3月にまとめた「中期経営計画」では、大阪以外の地方議員を300人以上へと倍増させる方針を明記していた。
まず、この現在の維新所属の地方議員約400人だが、(維新の会ホームページ内「市町村議会議員」の検索結果で、表示される議員数によれば)大阪府内には維新所属の議員が243人いる模様だ。大阪において、これ以上の維新議員を増やす余地がないことを考えると、大阪以外の地域で、現状の約160人の地方議員を約360人に増やすことになる。倍以上の議席数を獲得する必要があるのだ。