岸田総理のことを嫌いになっても、立憲民主党のこともやっぱり嫌いな日本人…これだけ盛り上がっても「立憲に風が吹かない」理由

自民党が政治資金パーティーをめぐる裏金問題で大逆風を受ける中、野党第1党の立憲民主党が政権交代を目指して強気の勝負に出ている。衆院トリプル補選や東京都議補選(目黒選挙区)に続いて静岡県知事選で勝利をつかみ、7月7日投開票の都知事選にはエース級の蓮舫参院議員が「無所属」で出馬する。はたして、立憲は2009年以来の政権交代を果たすことができるのか。政界事情に通じる経済アナリストの佐藤健太氏は「国民は民主党政権時代の大迷走に嫌気がさしており、そこまで『風』は吹いていない。自民党批判だけで返り咲くのは難しいのではないか」と見る。
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2009年の政権交代時のような「風」は吹いていない
事実上の与野党対決となった5月26日投開票の静岡県知事選で、立憲民主党は前浜松市長の鈴木康友氏を推薦(国民民主党も推薦)し、自民党が推薦した元副知事の大村慎一氏らを破った。4月末の3つの衆院補選(東京15区、島根1区、長崎3区)で全勝した勢いをキープしているように見える。
「政治とカネ」問題が直撃し、2つの補選で候補擁立を見送らざるを得なかった自民党には落胆ムードが漂い、立憲の泉健太代表は「早期の(衆院)解散を求めたい」と鼻息が荒い。ただ、それぞれの選挙の結果を深く見ると、2009年の政権交代時のような「風」は吹いていないことがわかる。
指摘しておきたいのは「熱」を感じないこと
最初に指摘しておきたいのは「熱」を感じないことだ。政権交代選挙があった2009年はリーマン・ショックに伴う経済危機対応を優先した自民党の麻生太郎首相(当時)が解散総選挙に踏み切れず、自らの失言などで支持率が下落。代わりに、立憲民主党の「源流」である民主党の鳩山由紀夫代表は飛ぶ鳥を落とす勢いを見せた。