なぜオワコン維新を大阪人は愛すのか…在阪ネット論客が語る3つの理由「みな自分の生活で頭いっぱい」ホームレス広場が綺麗な公園に

全国的には人気に翳りが見えてきた日本維新の会。しかしながら、今回の衆院選では大阪府内の19選挙区で全勝し、地元・大阪での人気の根強さを見せつけた。
大阪在住の人気中年男性ネット論客、ポンデベッキオ氏が自身の“生活実感”から維新全勝の真の理由を語るーー。
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自民党が大敗した衆院選…なぜ立憲が大勝したのか
裏金問題がクローズアップされる中で行われた、2024年衆院選は自民党の大敗で幕を閉じた。
自民党は50議席以上を失う大敗北を喫し、自公連立政権は過半数を割り込んだ。苦節12年を経て総理の座に就いた石破茂総理であったが、早くも選挙結果の責任を取って辞任すべきと党内から攻められる立場に追い込まれてしまった。総理在職期間はまだ28日、エルバ島からパリへ舞い戻ったナポレオンの百日天下よりも短い期間で石破総理は退陣することになるのだろうか。
自民党とは対照的なのが立憲民主党だ。立憲は議席数を大幅に伸ばし大勝利に終わった。共産党がすっぱ抜いた裏金問題を大々的にアピールして与党自民党を攻撃したことと、終わりの見えないインフレに嫌気がさしていた世論が噛み合っての大勝利に、野田代表も笑顔が絶えなかった。
そんな立憲と共に、今回大きな注目を集めたのが玉木代表率いる国民民主党だ。国民民主は現役世代を向いた政策を数多く打ち出し、重すぎる社会保障税の負担などを軽減すべき、働く世代の手取りを増やせと声を上げた。そのかいあって、なんと比例では20代30代でトップの人気を獲得した。
負け予想が濃かったが、大阪全勝でなんとか踏みとどまった維新
維新は党として推してきた斎藤県知事のパワハラ問題などによるイメージダウンや、高齢者医療費の負担増に踏み込んだことによる支持離れの影響があり、今回の選挙ではかなり苦しいのではないかと予想されていた。
事実、関東ではことごとく立憲や自民の対立候補に敗北し、トータルの議席数を44から38議席に落としてしまった。しかし、自民党の大敗北と比べれば、敗れはしたもののなんとか踏みとどまった結果となった。
なぜ維新は選挙前の予想よりも健闘することができたのだろうか?その理由は一つだ。それは大阪の選挙区で”全勝”という快挙を達成したからである。
「オワコン」と言われても大阪では圧倒的人気の維新…かつては森喜朗から”痰壺”とまで呼ばれた
大阪は昔から公明党が非常に強い支持基盤を持つ地域であったが、今回の選挙でなんと維新は公明党の対立候補に全勝、維新単独での全議席獲得に至ったのだ。大阪公明党の選挙の強さを知る地元民には、これがいかに快挙かがよくわかるだろう。
大阪万博での資金繰りのゴタゴタや、ちょくちょく起きる維新議員の不祥事、拭いきれないパワハラ気質なイメージ。維新は全国的に見れば賞味期限が切れかけたオワコンと嘲笑されることが多い。
しかし、いまだに大阪ではその絶大な人気と力を維持している。2009年に当時メディアから政界に進出した橋下徹氏が立ち上げた大阪維新の会、あれから15年の時を経ても、いまだにここまでの支持を大阪で集めている理由は一体どこにあるのであろうか?
橋下維新は確かに大阪に巣くっていた複雑な問題に挑み、大きな結果を出した。タレント時代に培ってきたメディア戦略や人脈を駆使し、森喜朗議員から”痰壺”とまで呼ばれた大阪の負のイメージを大きく作り替えた。しかし、それからもう十数年の時が流れた。
大阪在住のネット論客「維新は大阪府民に実利を提供できているから人気なのだ」
人は慣れる生き物だ。昔取った杵柄だけでは、今ここまでの強さを維新は維持することはできなかったであろう。大阪での維新人気は、過去の遺産ではなく、今なお続く政治活動に支えられているのだ。
維新が大阪で人気なのは、東京へのヘイトを掻き立てて煽っているからだ、といった意見もあるがそれは大きな間違いだ。日常生活の中で東京を常にライバル視している人など大阪にはほとんどいない。みな自分たちの生活のことで頭がいっぱいだからだ。維新が支持されるのは、大阪府民に確かな実利を提供できているからに他ならない。