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どうしてこうなった!2025年、日本はインドに抜かれ5位になる…給料上がらず「増税、社会保険料アップの負担増が待ち構える」

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 2025年は景気が良くなるのか、それとも悪いのか―。誰もが知りたくなる素朴な質問に専門家たちは異口同音に「難しい」と答える。世界経済は一段と減速するとの見方が広がるが、難解なのは予測不能な「1人の人物」によって振り回されることになるからだ。1月に発足する米国の第2次ドナルド・トランプ政権の動向に世界中のリーダーや投資家、企業が熱視線を送る。経済アナリストの佐藤健太氏は「同盟国の石破茂首相がまだ首脳会談さえできないことは憂慮すべき事態だ。米中の覇権争いは激化し、日本が蚊帳の外に置かれれば『経済大失速』もあり得る」と見る。日本をドン底に落としかねない2025年の最悪シナリオとはーー。

目次

最大の貿易相手「中国」の失速は当然日本に波及

 世界経済の先行きを考える上で欠かせないのは、やはり「トランプ2.0」に伴う変動要因だ。トランプ氏は早くも対中追加関税に踏み切る可能性が指摘されている。「トランプ関税」が現実化すれば中国経済への影響は多大だろう。最大の貿易相手国である中国の失速は、当然ながら日本にも波及する。米国の対中強硬路線は日中関係を良好に向かわせるベクトルとなり得るが、逆に日本政府としては対米関係が微妙となりかねないジレンマに陥る。2025年の日本外交はバランスが難しく、その結果次第で経済の行方がいかようにも変化することになりそうだ。

 米国景気は底堅く推移するものの、トランプ政権の経済政策次第によっては悪影響が生じるだろう。ロシアによるウクライナ侵攻や不安定な中東情勢に関しても、不規則発言を繰り返すトランプ氏がいつまでも黙っているとは思えない。傍観する日本政府をあざ笑うかのように、予測不能なタイミングと方法で「トランプ介入」が炸裂するだろうことは想定しておくべきと言える。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストが12月24日に公表したレポートによれば、米国経済の先行きは「個人消費が引き続き堅調に推移するなか、次期トランプ政権による規制緩和や減税への期待から、家計や企業のセンチメント(心理)の改善が見込まれ、また、緩和的な金融環境を踏まえると、成長ペースが大幅に鈍化する恐れは小さい」と指摘している。実質GDP(国内総生産)成長率の四半期予想では2025年は前年比プラス2.3%を見込む。

2025年は貿易転換の年になる

 世界経済の重要な“プレーヤー”となった中国は、成長鈍化が予想されるところだ。リスク要因に警戒を強める先進国は「中国依存度」を低下させ、サプライチェーンからの脱却を進める可能性もある。その観点から言えば、2025年は貿易転換の年になるかもしれない。いずれにせよ、米国と中国のパワーバランスがどのように変化していくのかを見極めていくことが欠かせなくなるだろう。情けないことに、日本は「待つ」しかない状況なのだ。

 2024年の日本経済は、回復基調を維持した。3月21日の東京株式市場は日経平均株価が4万815円66銭と終値として最高値を更新し、7月11日には初めて4万2000円台をつけた。11月11日には米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価も終値として初めて4万4000ドル台をつけ、史上最高値を迎えている。

 2024年1月に新NISA(少額投資非課税制度)がスタートし、家計に眠るお金がNISAマネーとして流入したことで市場は活気を帯びた。大企業を中心に過去最高益を記録するところが次々に現れ、春闘では33年ぶりとなる5%台の賃上げ率を実現。日本銀行は追加利上げを実施し、金融政策の正常化を進めた。

2025年にはインドにも抜かれ5位となる日本

 大和総研が12月20日に公表した神田慶司、田村統久、山口茜、秋元虹輝の4人のエコノミストによるレポートによれば、2024 年の日本経済は「自然災害や自動車の工場稼働停止、実質賃金の回復の遅れなどもあって停滞感が強かった」。同年の実質GDP成長率はマイナス0.1%と主要 7カ国(G7)で最も低い伸びになる見込みだ。

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この記事の著者
佐藤健太

ライフプランのFP相談サービス『マネーセージ』(https://moneysage.jp)執行役員(CMO)。心理カウンセラー・デジタル×教育アナリスト。社会問題から政治・経済まで幅広いテーマでソーシャルリスニングも用いた分析を行い、各種コンサルティングも担う。様々なメディアでコラムニストとしても活躍している

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