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玉木雄一郎が「AI時代に原子力発電は不可欠だ」…私の場合、ChatGPT-4がなければもはや仕事が進まない

玉木雄一郎衆議院議員

 最先端のAI産業には、莫大な電力供給がいる。国民民主党の玉木雄一郎氏は「反原発でも、再エネでも、電力供給が圧倒的に足りません」という。日本のエネルギー政策はどうあるべきなのか。玉木雄一郎氏独占インタビュー全6回の最終回。

目次

安定的な電力供給がなければ、AIなどの先端産業は成り立たない

ーー生成AIが生活に浸透し、それに伴いデータセンターの需要も増加しています。このような状況では、電力問題への対応がますます重要になると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか?

 そうですね、電力問題は非常に重要です。電力は国民の生活に直結するだけでなく、産業の発展にも欠かせない要素です。今後、データセンターの数が増え、AIの利用が拡大する中で、電力需要が大幅に増加することは避けられません。

 特に、AIの検索機能だけでも、通常の検索の6〜10倍の電力を消費します。そのため、安価で安定的な電力供給がなければ、AI関連の産業や半導体戦略は成り立たないでしょう。

反原発でも再エネでも、どちらでも電力供給が足りなくなるのが現状

ーー北海道にラピダスの工場が建設されますが、電力不足が懸念されています。このような状況を国としてはどう対応すべきだとお考えですか?

 半導体の戦略や工場の設置、例えばTSMCやラピダスといった企業が成功するには、安くて安定的な電力供給が不可欠です。

 しかし、日本のエネルギー自給率は非常に低く、わずか12%程度に過ぎません。この割合は、原子力、水力、再生可能エネルギーをすべて合わせたものです。残りの大部分はアラブ諸国やロシアから輸入した化石燃料による火力発電に依存しています。このような状況でカーボンニュートラルを目指すのは非常に厳しいと言えるでしょう。

 再生可能エネルギーには一定の限界があり、原子力発電も十分に活用されていない現状では、安定的な電力供給が難しい状況にあります。

 そのため、TSMCが九州に進出した背景には、電力コストの安さが大きな要因となっています。九州電力管内では原発が稼働しているため、電力が比較的安価です。この傾向は関西電力も同様で、西日本は東日本に比べて電力コストが2~3割安いのが現状です。一方で、東日本、特に北海道では、泊原発が安定的に稼働しなければ、ラピダスの運営は厳しい状況になるのではないかと考えています。

 現在、多くの企業が安価な電力を求めて海外にサーバーを設置しています。例えば、LINEはもともと韓国企業のネイバー社が運営していましたが、現在、サーバーは韓国にも日本にもなく、アメリカのシアトルの山奥にあります。その理由は、電気代が日本の4分の1という安さだからです。この事実は、国民の皆さんにも真剣に考えていただきたいポイントだと思います。

 日本は「反原発か再エネか」という単純な二者択一の議論をしている余裕はありません。現状では、どちらも足りないのが実情です。特に、安定的で安価な電力供給が可能な「ベースロード電源」として、原子力発電は不可欠です。

 もちろん、再生可能エネルギーも必要です。しかし、「原発か再エネか」という議論ではなく、両方を適切に組み合わせた現実的なエネルギー政策を検討するべきです。そうしなければ、DXやAIの導入を推進するのは簡単ででも、それを支える電力基盤がなければ何も実現できません。

日本のデジタル貿易赤字は年間で約5~6兆円にも及ぶ

ーー電力不足がもたらす影響について詳しく教えてください。

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