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年間配当471万円投資家「暴落シグナルの見極め方」世界GDPが過去平均を下回る見通し…注目のセクター&最強10銘柄

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本稿で紹介している個別銘柄:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、芙蓉総合リース(8424)、みずほリース(8425)、リコーリース(8566)、三菱HCキャピタル(8593)、日本電信電話(9432)、INPEX(1605)、ブリヂストン(5108)

 株式投資で着実に資産を増やしていくための方法はどんなものだろう。一番重要なのは、よくありがちな失敗を避けることではないだろうか。年間配当471万円、資産億越えの名物投資家・長期株式投資氏に、株で失敗を避けるための方法と、2025年の相場見通し、注目セクター・銘柄を聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「あなた一人だけ『勝つ』方法」第2回。

目次

2025年の世界経済成長率は過去の平均を下回る見通し

 2025年の相場が始まりました。今年はドナルド・トランプ氏が米国の第47代大統領に就任、日銀が政策金利を0.5%に引き上げるなど、1月から情勢の変化が慌ただしくなっています。

 ここ1年程度の日経平均株価の推移を振り返ると、昨年8月に発生した暴落を除けば、おおむね36000円~40000円程度となっています。また、日経平均PER(加重平均)の推移は15倍~17倍程度となっており、企業業績に大きな飛躍が見られなければ、当面はこの水準が続くのではないかと考えています。

 また、世界におけるマクロ経済の動向を確認する際には、国際通貨基金が発行している『世界経済見通し』を参考にするのも1つです。2025年の1月に発行された最新のものでは、「2025年と2026年の世界経済成長率は3.3%と予測されており、過去(2000~2019年)の平均である3.7%を下回る」とされています。2024年の推計が3.2%となっておりますので、世界経済の成長率は概ね横ばいとなることが予測されています。この観点からも、今年は可もなく不可もなしといった相場を想定しています。

暴落を察知するための要注意シグナルの見極め方

 基本的に株価暴落を事前に察知することは不可能だと認識しています。そのため、暴落を予測するよりもいつかは起こることとして、対応策を事前に準備しておく方がはるかに重要だと考えています。

 暴落に対処する上で効果的なのは、キャッシュのポジションを厚くしておくことです。キャッシュは暴落時に安く買うための兵站の役割を果たしてくれるのとあわせ、精神安定剤にもなってくれます。今一度、前のめりになって投資をしていないか、現状の現金比率について再確認をしておいた方が無難です。

 突発的に発生する株価暴落は予測不可能ですが、業績については時系列で確認することで、要注意シグナルを発していると思われるケースもあります。売上高や営業利益が何年も右肩下がりになっている、株価が下がり続けている、というパターンです。

 株価は短期的には需給で、長期的には業績に連動して形成されます。そのため、業績が堅調にもかかわらず株価が下がっているというケースでは、過度に恐れる必要はありません。いずれは業績に応じて株価も回復することになりますので、むしろバーゲンセールと捉えることもできるでしょう。その一方で、業績悪化を伴った株価下落は、業績が反転しない限り長期的な株価の回復は期待できず、要注意なケースとなります。

 日銀は2025年1月の金融政策決定会合において、政策金利を0.5%に引き上げました。0.5%という水準は17年ぶりとなりますので、金利の上昇が企業業績にどのような影響を与えるのか注視しています。

投資初心者にありがちな失敗…これじゃ絶対儲からない

 株は安く買って高く売れとよく言われます。しかし多くの投資家はこれと逆の行動をとりがちです。

 相場が好調で楽観論が多数派を占めているときは、投資することに不安を感じることは少ないでしょう。これは精神的に買いやすい環境と言えます。

 逆に相場が総悲観のときには不安を感じやすく、買いにくい環境と言えるでしょう。

 つまり、相場が好調で株価が高い水準にあるときに買い、相場が総悲観で株価が低い水準にあるときに売るという投資行動をとってしまいやすいのです。

 このとおりに行動すると、高いときに買って安いときに売るわけですから儲かるわけがありません。

投資初心者は知っておきたい、割安株の見つけ方

 これを避けるためには、雰囲気で投資をするのではなく、株価が安いか高いかのモノサシ(判断基準)を持つことが大切です。株価の妥当性をはかるには、PERを用いるのが一般的ですが、PBRもあわせて活用することで判断の精度を高めることが可能です。

 やり方は簡単です。過去に投資家が許容してきたバリュエーションがどの程度だったのかを、PERとPBRの推移から確認するのです。確認する期間を長く取れば精度が上がりますが、2020年にはコロナショックという異常事態が発生しました。そのため、PERが異常値となっている銘柄も多く、判断しやすくするために過去3年程度を目安として過去の値幅を確認してみましょう。

 例えば、NTTにおける予想PERの推移(過去3年間)を確認すると、最小値は10.6倍、最大値は13倍、平均値は11.6倍となっています。この場合、現在の予想PERが11.6倍程度であれば株価は妥当な水準で、10.6倍に近づくほどに割安となり、13倍に近づくほどに割高と判断できます。PBRも同様に推移(過去3年間)を確認すると、最小値は1.23倍、最大値は1.75倍、平均値は1.54倍です。つまり、現在のPBRが1.54倍程度なら株価は妥当で、1.23倍に近づくほどに割安となり、1.75倍に近づくほどに割高と判断することが可能です。そして、PER、PBRのどちらか一方ではなく、PERとPBRの両方の値が最小値に近い状態(つまり株価は割安)のときに投資ができれば、損する確率をかなり下げることができるでしょう。ぜひ活用してみてください。

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この記事の著者
長期株式投資

1977年、熊本県生まれ。2004年から株式投資を始める。10年、ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」と出会い、日本株での配当再投資を投資戦略とする。その後、着実に資産増、配当増を実現し、22年には資産総額1億円超、年間配当280万円を達成。2023年3月末に会社を退職し、自身の経験を全国の若者や投資家に伝えるために、「長期株式投資による資産形成教室」をオンラインで運営開始。投資教育をライフワークとするべく奮闘中。 https://lounge.dmm.com/detail/6056/index/ 著書に『オートモードで月に18・5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)がある。1級FP技能士。TOEIC940点。空手二段。剣道初段。

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